持続可能な森林経営

ブラジル、アマゾナス州のアンティマリ国有林(Antimari State Forest)における森林経営について話し合う村の人々と森林業者たち。この地域では長期に渡るITTOプロジェクトによってSFMの実施と経済的利益を地域の人々にもたらす取り組みが盛んになっている。写真提供: WWF

ITTOでは持続可能な森林経営(SFM)を「森林製品及びサービスをその本来の価値と将来の生産性を過度に低下させることなく、また物理的・社会的環境に過度の望ましくない影響を及ぼすことなく、持続可能な森林製品及びサービスの生産に関して、一つ以上の明確な目標を達成するための森林経営のプロセス」と定義しています。この定義は以下のSFMの目標について意味しています。
  • 森林から得られる財や環境サービスに対する需要を継続して満たすこと
  • 森林土壌、水、炭素貯蔵の保全の確保
  • 生物多様性の保全
  • 炭素貯蔵を含む森林のレジリエンス(回復力)と再生能力の維持
  • 森林に依存する地域社会の食糧の安全保障と文化及び生活のニーズを支援
  • 森林経営における責任の公平な分担と森林利用に起因する利益の公平な共有
ITTOは熱帯加盟国が森林資源を持続的に管理できるよう支援しており、持続可能な森林経営のための基準と指標、低インパクト伐採、火災管理、生物多様性保全、コミュニティー林業、森林景観の修復、人工林、森林ガバナンス、ジェンダー平等と女性のエンパワーメント、マングローブ生態系の持続可能な利用と保全、森林製品加工、グリーンサプライチェーンなどについて様々なサポートを実施しています。

1990年発行の天然熱帯林の経営に関するITTOの政策ガイドラインは、最新の知識を取り入れ、新たな熱帯林経営の課題と機会に対応すべく、2015年に改訂されました。『天然熱帯林の持続可能な経営に関する自主的ガイドライン』(英語、PDF)では、天然熱帯林におけるSFMの計画、実施及び評価における政策、法律、ガバナンス、制度的、経済的、社会的そして環境的諸問題に取り組むためのガイダンスを提供しています。

ITTOは、1989年、2006年及び2011年に、熱帯地域のSFMの範囲に関して3件の調査を実施しました。これらの調査では、世界の主要熱帯木材生産国における森林経営に関するデータを収集、分析し、SFM下における熱帯林の面積を推定しました。最新のレポート2件をご覧いただくにはこちらをクリックしてください。

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