森林景観再生

メキシコのユカタン半島の苗床でマホガニーの種を植える女性たち。 ITTOは、森林景観の再生と経済的、社会的、そして環境的に好ましい成果を達成するための森林プランテーションの開発を推奨している。写真提供: INIFAP

健全な森林は何十億という人々の生活の中で重要な役割を果たしています。 森林はきれいな水を小川と貯水池に振り分け、何千もの食用の動植物を提供し、薬を調剤し、産業と地域の木材と木材燃料の需要をみたす準備がいつでもできています。定義上、劣化林や劣化原生林はこうしたことができないとされます。水が汚染されると貴重な動植物が消滅してしまい、木材や薪燃料の供給も減少します。
 
森林景観の再生は、森林に加えて広範囲の土地利用を含む可能性のある、劣化した森林景観を生態学的に完全に回復し、生産性と経済的価値を改善することを目的としています。 森林景観を再生するということには主要な財やサービスを回復し、地域住民の生活を向上させるという確かな実績があります。 また、補完的で生産的な土地利用に関する様々なことを開発し、多様な景観を作り上げるという目標を達成するためのツールでもあります。
 
森林景観の再生は、森林、生物多様性、気候変動、そして砂漠化に関する国際的に合意されたコミットメントを実行するための手段です。 特に、持続可能な開発目標1(「貧困をなくそう」)、6(「安全な水とトイレを世界中に」)、15(「陸の豊かさも守ろう」)に貢献しています。

国際林業研究センター、国連食糧農業機関、国際自然保護連合(IUCN)、世界自然保護基金と協力して、ITTOは2002年に『熱帯劣化林と二次林の再生、管理、修復に関するITTOガイドライン(英語)』を発行しました。ガイドラインは現在、ITTO主導の「森林のための共同パートナーシップ」の共同イニシアチブの下で2020年に改訂・情報更新がなされています(最新のガイドラインはこちら(英語))。
 
また、IUCNと協力して2005年に森林景観の再生に関するコンセプトと戦略について調査、解説するために森林景観再生についてのマニュアル『森林景観再生:森林景観の再生に関する人文科学入門』を発行しています。
 

関連リンク