マングローブ

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マングローブ: 貴重な資源。写真提供: S. Baba, ISME

マングローブ林は陸と海の間に青々と茂る森林です。塩水に適合した樹木、潅木、ヤシ、シダ類などが群生し、暴風雨時の波や風のエネルギーを吸収して海岸線地帯を守り、沈殿と栄養摂取を通して河口と海岸の水質を整えています。

何世紀にもわたり、マングローブ林は魚や肉、薪、薬、タンニン、家畜の飼料などの供給源として、海岸に住む人々の伝統的な文化を支えてきました。また、紙、合板、木炭の材料や建設資材の供給源として、さまざまな産業の発展を支えてきました。

しかしマングローブ生態系は年間推定10万ヘクタールの速さで失われており、さらに何百万ヘクタールもが、濫用や2004年12月のアジア津波のような自然災害によって、存続が危ぶまれる程度まで劣化しています。

マングローブ林の危機的状況とそれらが熱帯地方で果たしている重要な役割を認識し、ITTOは地域、国家、および国際組織と協力して実施する、現場ベースのさまざまなマングローブ・プロジェクトを策定しました。これらのプロジェクトは、国やコミュニティーによるマングローブ生態系の保全、復旧、持続可能な経営を支援することを目的としています。たとえば、ガボンとベネズエラにおける国有の恒久的森林資産の割り当てを支援するためのマッピング、インベントリ、土地利用計画の立案、タイ、エジプト、コンゴにおけるマングローブ林の再生と持続的経営、パナマにおける持続可能なマングローブ利用の一環としてのマングローブをベースにした水産業の維持などのプロジェクトがあります。

コロンビアでは、太平洋岸とカリブ海岸に沿って35のマングローブ林経営単位を割り当てて保全、復旧、または生産を行うプロジェクトが実施されています。マングローブ種の生存と成長を比較するために50以上のマングローブ再生サイトが設定され、コミュニティーの苗木場では苗の生産と植林手法の改良が進められ、モニタリング・システムで成長状況が記録されています。プロジェクトでマングローブ管理のトレーニングを受けたコミュニティーは、劣化した土地にマングローブを再び植え、沈泥でふさがった流路を再び開いて漁業を再開するためのパイロット・プロジェクトに着手しており、マングローブ林での収穫に関する先祖伝来の知識が復活されつつあります。このプロジェクトでは、マングローブに関する新たな情報も収集されています。たとえば野生生物調査によって、コロンビアのカリブ海沿岸ではこれまで記録されていなかったいくつかの種が発見されました。そのうちのいくつかは国内でも発見されていなかった種であり、世界発の発見であると考えられる種も含まれています。

ITTOは、マングローブ林遺伝資源の保全と持続可能な利用のための国際ネットワークの構築、マングローブ生態系の再生のためのマニュアルの作成、高く評価されているマングローブ世界地図帳の出版(現在全面改訂作業中)、およびGLOMIS (Global Mangrove Database and Information System) と呼ばれるマングローブ・データベースの構築に資金を拠出しました。

国際熱帯木材理事会は、マングローブの管理、保全、回復プロジェクトに対するITTOの支援を求めている加盟国に指針を提供するための2002~2006年ITTOマングローブ・ワークプランを承認した際に、組織のマングローブ・プログラムをさらに強化する意向を示しました。さまざまなマングローブ関連組織とすでに強い協力関係を築いているITTOは、マングローブに依存しているコミュニティーへの支援を強化し、危機に瀕しているこれらの生態系の持続可能な利用を促進するのに適した立場にあります。

ITTOの行動予定については、ITTO Action Plan 2008-2011を参照するか、またはリソースプロジェクト・ポートフォリオをクリックし、マングローブに関するITTO活動の詳細をご覧ください。