地域住民の森林

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TTOプロジェクトPD 38/99は、ペルー高地のコミュニティー
による森林経営を支援しました。写真:A. Gaviria

「地域住民の森林」(コミュニティー・フォレストリー)、地域住民とともに、もしくは地域住民によって行われる森林管理は、森林資源の持続可能性を追求しながら社会的公正にも対応する、重要なメカニズムです。

ITTOは加盟国内で開発されたコミュニティー・フォレストリー・アプローチを支援しており、多くの場合、これらは小規模な非政府組織によって実施されます。たとえばガーナの環境NGO、Evergreen Clubは、小学校の生徒と教師がl地域の植林・森林再生活動に参加するのを奨励しました。子供たちの間で森林保護と植林の必要性への認識が高まったことで、子供たちの親や他の村民の認識も高まりました。植林地の維持と保護は、樹木の間に食用作物を間作するアグロフォレストリー・システムによって確保されました。

別のコミュニティーベースのプロジェクトでは、ガーナのNGO、「31st December Women's Movement」とガーナ東部Worobong地区の先住民族コミュニティーによる、劣化した森林の復旧活動を支援しました。そこでは実施機関、コミュニティー、および地方・地区レベルの政府機関が関与する共同アプローチがとられました。このプロジェクトは、収穫したキャッサバが腐るのを防ぐキャッサバ処理機を設置し稼動させることにより、地域住民の収入増加に貢献しました。そのことが森林復旧・再生活動への地域住民(特に女性)の参加を促す重要なインセンティブとなり、プロジェクトの持続可能性を保証する役割を果たしました。

コミュニティー・フォレストリーは、多くの森林地域で持続可能な森林経営を達成する唯一の効果的な方法かもしれませんが、その実施は容易ではありません。おそらく最大の障害は、森林地に対するコミュニティーベースの保有権がないことです。長期の権利がないので、持続可能な森林経営に必要な時間や労力などの資源を投入する意味を、人々が見出せないのです。そのため、最も大きな成功は、政府の主導で保有権をコミュニティーに交付したプロジェクトで達成されています。

たとえば、ITTOの資金供与を得てフィリピンのヌエバビスカヤで実施されているプロジェクトは、フィリピン政府と3つの農業共同団体(the Kakilingan Upland Farmers Association、Kalongkong Upland Farmers, Inc.、およびthe Vista Hills Upland Farmers Association)から成るローカル・コミュニティー連合会の間で締結された、コミュニティーベースの森林経営契約を支援しています。この契約は、割り当てた林地の保有権を保証することで、合意されたコミュニティー資源管理の枠組みに沿って林地を25年にわたって開発、使用、管理するためのインセンティブを与えており、期間はさらに25年間延長できます。これには林地と自然資源の持続可能な使用、管理、保全の利益がコミュニティー内で公平に分配されるようにするための生産物分与契約が含まれています。

コミュニティー・フォレストリーには(多くの場合長期にわたる)参加プロセスや紛争解決プロセスが必要であり、これらのプロセス自体を支えるには、詳細な予備知識、利害関係者の教育と組織化、および信頼の獲得が必要です。したがって長期にわたる支援が不可欠です。たとえばヌエバビスカヤのプロジェクトは1993年に開始されましたが、現在でもITTOの支援を受けています。ITTOは各国の政府に働きかけて、コミュニティーによる森林経営アプローチのメリットに関する認識を高める活動も行っています。たとえば劣化熱帯林・二次熱帯林の再生・管理・復旧のためのITTOガイドライン「Guidelines for the Restoration, Management and Rehabilitation of Degraded and Secondary Tropical Forests」では、政策により現地利害関係者の関心事と知識を優先すること、ならびに国と地域の利害関係者の間で劣化/二次熱帯林における公平な保有権、アクセス権、使用権、およびその他の慣習上の権利を明確化し合法化することを推奨しています。

ITTOの行動予定については、ITTO Action Plan 2008-2011を参照するか、またはリソースプロジェクト・ポートフォリオをクリックし、地域住民の森林に関するITTO活動の詳細をご覧ください。