シャーム・サックルITTO事務局長、日本の環境大臣と連携強化のため会談
2025/03/10

シャーム・サックルITTO事務局長は、浅尾慶一郎環境大臣および環境省の高官と東京の環境省で会談し、気候変動、生物多様性保全、砂漠化など、グローバルな共通の課題について、より深い協力の道を探りました。ITTOと日本政府との長年にわたる協力関係を踏まえ、両者は特にこれらの重要分野での協力強化の重要性に合意しました。
短期的には、ITTOは今後開催される主要なグローバルフォーラム、特に8月の第9回アフリカ開発会議(TICAD9)と11月にブラジル、ベレンで開催される国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)(英語)での共同イベントの開催への関心を表しました。これらのイベントは、持続可能な熱帯林経営と、地球環境問題に対する自然に基づく解決策を促進するプラットフォームになり得るものです。
さらに、ITTOが緑の気候基金( Green Climate Fund: GCF)(英語)に認定されたことから、ITTOと日本による二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism: JCM)との協力の可能性について議論が行われました。両者が協調することで、持続可能な森林経営、炭素隔離、気候緩和戦略を推進するための資金にレバレッジを効かせることができる可能性があります。
また議論では、ITTOがいくつかの主要な国際環境協定に参加し、多くの国際機関と連携していることも紹介されました。ITTOはリオ条約およびワシントン条約と覚書(MOU)を交わしており、また森林に関する協調パートナーシップ(Collaborative Partnership on Forests: CPF)のメンバーであることから、林業関連事項に関してCPFメンバーと緊密に協力しています。
さらに今回の会議では、地球温暖化、食糧安全保障、生物多様性保全など、差し迫った地球規模の問題に対する自然に基づく解決策として、森林の生産性と効率性を高めることの重要性について議論が行われました。熱帯林が生態系と生活を維持する上で不可欠な役割を担っていることを認識し、持続可能な森林経営と生物多様性保全のための革新的で統合的なアプローチの必要性を強調しました。
今回の会合では、ITTOと日本の環境省との強固な関係が再確認され、持続可能な森林経営を通じて地球規模の課題に取り組むための協力強化を行う土台作りが行われました。