ITTO事務局長、メキシコ公式訪問で森林分野の協力を強化

2025年11月27日, メキシコシティ

シャーム・サックルITTO事務局長は、環境天然資源省(SEMARNAT)本部において、メキシコ連邦政府の環境分野の高官と会談しました。© Ramon Carrillo/ITTO

国際熱帯木材機関(ITTO)のシャーム・サックル事務局長は、技術協力の強化、ITTOプロジェクトの成果の確認、ならびに熱帯林の持続可能な経営および利用の強化を目的としたさらなる協力分野の検討のため、メキシコへの公式訪問を行いました。

訪問中、サックル事務局長は、環境天然資源省(SEMARNAT)本部において、メキシコ連邦政府の環境分野の高官と会談しました。この会合には、国家森林委員会(CONAFOR)委員長のセルヒオ・グラフ・モンテロ氏のほか、生物多様性の知識と利用に関する国家委員会(CONABIO)、国立生態・気候変動研究所(INECC)、環境天然資源省国際局調整部、および気候行動政策総局(DGPAC)の代表者が出席しました。

メキシコ連邦政府の環境当局は、森林生態系の管理強化、責任あるバリューチェーンの促進、および同国が有する豊かな生物多様性の保全に引き続き取り組む姿勢を再確認しました。© Ramon Carrillo/ITTO

協議では、特に技術協力の拡大および森林生態系の持続可能な管理に向けた同国の能力強化を目的とした、メキシコにおけるITTO支援プロジェクトの主要な取組に焦点が当てられました。また、昆明・モントリオール生物多様性枠組(KMGBF)への貢献、気候変動の緩和および適応、並びにラテンアメリカ産種のワシントン条約(CITES)掲載についても議論されました。

サックル事務局長は、ITTO加盟国としてのメキシコの積極的な関与を高く評価するとともに、持続可能な森林経営および林産物の合法かつ持続可能な貿易の強化、これらすべての分野における能力開発、ならびに生態系回復に向けた取組を一層強化していくことの重要性を強調しました。

「メキシコは、長年にわたりITTOの重要かつ貴重な加盟国です。」とサックル事務局長は述べました。「私たちは共に、森林ガバナンスを強化し、地域のコミュニティをエンパワーし、将来の世代のために生物多様性を保全すると同時に、先住民族および地域コミュニティの包摂を確保するための協働の取組を、今後も拡大していくことができます。」

会合における協議では、特に技術協力の拡大および森林生態系の持続可能な管理に向けた同国の能力強化を目的とした、メキシコにおけるITTO支援の主要な取組に焦点が当てられました。© Ramon Carrillo/ITTO

2006年以降、メキシコ国家森林委員会は同国におけるITTOのフォーカルポイントとして、熱帯木材の保全、持続可能な経営および合法的な貿易を促進するITTOの各種プログラムや取組へのメキシコの参加を進めてきました。

メキシコ連邦政府の環境当局は、森林生態系の管理強化、責任あるバリューチェーンの促進、及び同国が有する豊かな生物多様性の保全に対するコミットメントを改めて確認しました。サックル事務局長はさらに、ITTOプロジェクトの一環として2か所を訪問し、メキシコ・ユカタン半島における伝統的知識および薬用植物の内容やそれらの記録に関する取組を評価しました。