GTIレポート:ガーナの木材セクターは11月に改善、他国では安定化の兆し
2025年12月19日, 横浜
ガーナのオーシャン・ウッド・ガーナ社の加工工場で働く作業員。© Peter Zormelo
世界木材指標(Global Timber Index: GTI)の最新の報告書によると、2025年11月、ガーナの木材セクターは引き続き上昇傾向を示し、他にも安定化の兆しが見られる国がありました。ITTOが支援するGTIは、アフリカ、アジア、ラテンアメリカのパイロット国における木材セクターの動向を追跡しています。
ガーナのGTIは60.0%となり、数か月連続で50%の基準値を上回りました。一方、他のすべての国のGTIは縮小局面にありました。ただし、中国(49.6%)、コンゴ共和国(49.6%)、ブラジル(49.5%)、インドネシア(49.1%)、タイ(49.1%)は基準値に近い水準を記録しており、各国の木材セクターが比較的安定していることが示されています。エクアドル(44.5%)、メキシコ(44.3%)、マレーシア(33.2%)、ガボン(30.2%)はより低い数値となり、木材業界の低迷が示唆されました。.
国別のサブインデックスによると、インドネシア、ブラジル、エクアドル、中国では新規受注が前月比で増加しました。ガーナおよびブラジルでは、伐採と生産の双方が増加しており、両国における供給面での活発な動きが示されています。一方、マレーシア、タイ、ブラジル、メキシコでは、主要原材料の在庫が数か月連続で減少しており、これらの国々では原材料供給が比較的逼迫していることが示唆されました。
専門別サブインデックスも、11月における全体的な縮小を示しました。GTI生産者指数(GTI-Producers Index)は48.5%、GTI木質パネル指数(GTI-Woodbased Panel Index)は47.2%となりました。
11月には、多くの国や地域で貿易政策の大きな変化も見られました。例えば、中国税関総署は、2025年11月10日付で米国からの丸太輸入を再開すると発表しました。これは約8か月に及ぶ輸入停止措置の終了を意味し、中国の木材輸入市場に新たな供給要因が加わることを示しています。
また、11月26日には、ガボンの暫定上院が2026年財政法案を承認し、加工段階に応じた新たな差別的輸出税制度が導入されました。これにより、一次加工製品には15%、二次加工製品には10%、三次加工製品には3.5%の輸出税が課されることとなります。
最新のGTI報告書では、パイロット国における持続可能な森林経営の推進に向けた取組についても紹介されています。具体的には、インドネシアが「トロピカル・フォレスト・フォーエバー・ファシリティ(Tropical Forest Forever Facility)」に対し、ブラジルの10億米ドルの拠出に合わせると表明したこと、マレーシア木材認証制度の進展、ならびにエクアドルにおける国家REDD+政策実施の進展などが挙げられています。
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