越境保全地域の成功には能力強化が不可欠と報告

2018年5月31日

今年3月に開催されたアジア太平洋地域の越境保全地域(TBCAs)に関する地域ワークショップの報告書によると、TBCAsに関わるステークホルダーの能力強化には多大な努力が必要だということです。
 
同ワークショップ「持続可能な生物多様性保全に関するアジア太平洋地域ワークショップ:持続可能な生活の発展における森林共同体と女性のエンパワーメント」は、2018年3月6日から8日にかけて、インドネシアの西カリマンタン州ポンティアナックで開催されました。このワークショップには約65名のステークホルダーが参加し、ITTOとの協力でインドネシア環境林業省が主催しました。 ITTOは1994年以来、TBCAsの主要なスポンサーを1994年以来務めており、熱帯地域全体で1,000万ヘクタール以上のTBCAsの設立(そのうちおよそ3分の1はアジア)を支援してきました。 
 
本ワークショップは、ITTOプロジェクトPD 617/11 Rev.4 (F)「マレーシア、サラワク州とインドネシア間の越境生態系として位置づけられるベタン・ケリフム国立公園(BKNP)の生物多様性保全の促進」の一環として開催されました。

参加者は、ITTOのTBCAプロジェクトの実施から得られた教訓を共有し、(主に)以下に挙げる重要点が明らかになりました。
  • 生態系は政治的な境界線とは異なるため、TBCAsは世界的な取り組みとして、熱帯林の生態系と生物多様性を大規模かつ連続的に保全するために不可欠な地域でなければならない。
     
  • TBCAs内の永続的な政治的境界の存在は、TBCAイニシアチブの成功のためには、国や地方政府からの強力なコミットメントと政治的支援が不可欠であることを意味する。
     
  • 地域社会とのコミュニケーションを構築し、地域社会の間で行われてきた伝統的な協調の方法を理解することは、TBCA職員と地元の人々との信頼関係を構築する上で重要。
     
  • 生物多様性保全が経済的および暮らしに役立つ場合に限り、森林に依存するコミュニティーの関わりとと協力は長期的に保証される。こうした方向性で進められて来ているが、しかしながらさらに遥かに多くの事を行う必要がある。長期的かつ組織化された努力が能力育成には必要である。
     
  • ​​​​​地域社会内では、女性の参加が遠隔地における生物多様性保全のために不可欠である。 これは生物多様性保全のプロセスが女性にとって所得を増やすだけでなく、教育と健康も向上させる機会を提供できる可能性が最も高い。
出版物のダウンロード
http://www.itto.int/files/itto_project_db_input/3057/Technical/TBCA-Pontianak%20Workshop%20Report-2018-Final.pdf
 
その他の技術レポートのダウンロード
http://www.itto.int/project_search/detail/?proid=PD617%2F11+Rev.4+%28F%29
 
ワークショッププレゼンテーション・写真のダウンロード
プレゼンテーション資料:1日目
プレゼンテーション資料:2日目

1日目:写真リスト
2日目:写真リスト
3日目:写真リスト