ITTO事務局長、コスタリカを訪問 持続可能な森林経営に関する協力を強化
2025年11月14日, サンホセ
コスタリカは、外交的および技術的な繋がりが約10年となる節目の2023年以降、ITTO支援プロジェクトの実施を推進しています。この強固な連携体制により、コスタリカでは、森林ガバナンスを向上させ、同国の持続可能な森林経済を強化することを目的とした国主導イニシアティブを、国際的資金によって初めて実施することとなります。© Juan Fonseca/ITTO
国際熱帯木材機関(ITTO)のシャーム・サックル事務局長は今週、持続可能な森林経営および木材生産チェーンに関する連携を強化するためのハイレベル・ミッションの一環として、コスタリカへの公式訪問を行いました。
コスタリカは、外交的および技術的な繋がりが約10年となる節目の2023年以降、ITTO支援プロジェクトの実施を推進しています。この強固な連携体制により、コスタリカでは、森林ガバナンスを向上させ、同国の持続可能な森林経済を強化することを目的とした国主導イニシアティブを、国際的資金によって初めて実施することとなります。
国立森林局によると、コスタリカの森林セクターは現在、約24,000人の直接雇用を生み出し、木材および関連製品の輸出によって年間約2億9,300万米ドルをもたらしています。これらの数字は、森林部門が国家経済および農村地域の生計向上において極めて重要な役割を果たしていることを示しています。
サックル事務局長は、コスタリカ林業木材産業協会(CFMI)、コスタリカ工科大学(TEC)、サンカルロス森林開発委員会(CODEFORSA)の関係者と会談し、森林バリューチェーンの強化や商業的造林を持続可能な農村地域開発の戦略として促進することを目的とした、ITTO支援プロジェクトの進捗状況について意見交換を行いました。
「CFMIにとって、ITTO事務局長による今回の訪問は、農村開発にコミットした責任と競争力のある森林セクターを確立するというコスタリカの取組が認められたことを意味します。」と、CFMIのナタリア・チャコン事務局長は述べました。
議論では、持続可能な森林経営および伐採を通じて森林セクターのバリューチェーンを強化する取組、商業的造林の競争力向上、国内北部地域における能力構築と規制改善を通じた持続可能な森林経営および国産材利用の促進など、重要なイニシアティブに焦点を当てました。コスタリカでは、付加価値の創出と、建設における木材利用促進の動きが支持を集めています。投資を促進し、脆弱な農村地域に雇用と収入機会を創出し、生産林の責任ある利用を促進します。
会議には、環境エネルギー省(MINAE)およびITTOに関する国内の担当者も出席し、コスタリカが森林ガバナンスのグローバルモデルとして評価されていることを強調しました。
ミッションの一環として、サックル事務局長は北部地域の専門的な視察も行い、サラピキおよびサンカルロスの各地で、地域コミュニティと協力して実施されている造林および森林再生活動を確認しました。
訪問を振り返り、サックル事務局長は次のように述べました。「コスタリカは、持続可能な森林経営が環境的な必須事項であるだけでなく、バイオエコノミーおよび持続可能な開発目標(SDGs)に貢献しつつ包摂的な経済成長をもたらす強力な原動力であると示し続けています。ITTOは、森林ガバナンスの強化、地域コミュニティの能力向上、人と森林双方に利益をもたらす持続可能なバリューチェーンの拡大に向けた同国の努力を支援できることを誇りに思います。」