メキシコ湾熱帯海岸林の生態系サービスに関するビデオを公開

2016年6月30日

ビデオ「¿Qué es la conectividad? (つながるとは?)」

ITTO資金提供プロジェクト:RED-PD 045/11 Rev.2 (M)の成果物として、メキシコ湾の熱帯海岸林(マングローブや浸水林、湿地、熱帯雨林、砂丘上の低木林)の価値に焦点を当てた新規ビデオを2本公開しました。このような生態系の保全が気候変動が及ぼす負の影響を緩和したり、例えば十分な質と量の水の供給などという必要不可欠な財とサービスの供給を確保するために非常に重要であることを、このビデオでは示しています。ビデオはスペイン語のみで視聴可能です。
 
メキシコ湾の海岸林は、例えば高潮からコミュニティーや農地を保護し、水のろ過を行うなどの環境的に重要な機能を果たしています。しかしながら、ベラクルス州ではこうした生態系の推定85%が劣化しているため、早急に復旧させる必要があります。そこで、ITTOは2012年に「メキシコ、ベラクルス州の海岸林が提供する生態系サービスの環境評価と経済的評価」というプロジェクトに資金提供を行いました。同プロジェクトにより今回2本のビデオを公開しましたが、海岸林が提供する環境サービスとその社会的価値について解説しています。内容は以下の通りです。
 
  • ¿Qué es la conectividad?(つながるとは?)」-異なる個体群の動植物をつなぐ道や集団として機能する木々や散在する植生をつなぐことで、結果として遺伝子の交換を可能にし自然の再生を促進し、生物多様性を維持すると役割について本ビデオでは説明しています。スペイン語のみで視聴可能。時間:2分29秒。
  • Servicios  ecosistémicos de los bosques y selvas de Veracruz(ベラクルスの海岸林の生態系サービス」) - このビデオでは、マングローブ、浸水林、湿地、熱帯雨林、砂丘上の低木林が提供する財やサービスに関するプロジェクトで実施した定量的評価の結果ならびにこうした生態系が地域社会の生活維持と海岸線周辺の動植物の個体群を維持するために重要であることについて示しています。評価した生態系サービスは、洪水の抑止、炭素隔離、改善された水質、気候変動への緩和と適応と動植物の遺伝子の世代促進です。スペイン語のみで視聴可能。時間:30分11秒。
研究結果では、健全な生態系が存在することで気候変動による負の影響からの回復が早くなり、なくなりつつある個体群の脆弱性を軽減することができると結論付けています。浸水林に関しては、炭素隔離との水の封じ込め(洪水を減らし、塩くさびを含む十分な量と質の新鮮な水を提供する)という観点から極めて重要です。マングローブは健全な漁業や漁業に依存する人々の経済にとってこれもまた極めて重要です。
 
こうした生態系の保全を推進するために、他にも多くの技術文書や論文を科学雑誌に掲載し、プロモーション素材も発表しています。これらの出版物はITTOのプロジェクト検索ページから閲覧可能です。