Council announced US$3.7 million pledged for tropical forests, and it takes measures to increase transparency

2015年11月22日

第51回国際熱帯木材理事会閉会式で次期理事会議長のジェニファー・コンジェ(米国)氏から額入りの小槌を贈呈される現議長のビン・チェ・イエオン・フリーザイラー氏(マレーシア)。 写真提供:ENB

マレーシア、クアラルンプール: 11月21日に閉会した第51回国際熱帯木材理事会では、2015年には総額約370万ドルのプロジェクト等に対する資金拠出がなされた旨が公表されました。また、組織の透明性に対処する決議も採択されています。
 
ITTO2カ年事業プログラム(2015年~2016年)に対する資金提供は、同プログラム下の持続可能な森林経営のための基準と指標や森林のための共同パートナーシップ、市民社会諮問グループならびに貿易諮問グループへの参加とCITESリストに掲載されている熱帯木材種要件実施のためのITTO-CITESプログラムに対して行われることになりました。
 
プロジェクト事業に関してはアフリカ域内の熱帯木材・木材製品貿易の促進事業に対して資金拠出が表明されましたが、グアテマラとミャンマーの二つのプロジェクトに対しては一部の資金提供に留まりました。来年、他のドナーからの関心が寄せられ資金提供の表明がされた場合には、このプロジェクトの実施が再開されるでしょう。
 
理事会はITTOフェローシッププログラムの応募書類も審査し、18名に対して総額10万米ドルのフェローシップの授与を決定しました。
 
組織に対する透明性については3つの決議が採択されました。第一に、理事会はITTOの600万米ドルの償却費による投資と組織の財務管理状況について早急に調査を命じました。これはITTOの財務規則ならびに財務・管理委員会に定められた規定に違反している可能性があります。1200万米ドル程度の追加投資もまた、これらの規則や規定に違反している可能性があります。本調査を監視するために設置された監視委員会は2016年4月中旬までに理事会議長へ報告書を提出することになりました。
 
第二の透明性に関する決議は理事会へのオブザーバーの参加についてです。オブザーバーはITTO加盟国が注目する熱帯林に関する新たな課題や視点、そして懸念を提供してくれる重要な役目を果たしてくれると考えているため、この議題を取り上げました。また、理事会が透明であることと、すべての事業内容が今後も全ステークホルダーに伝わるようにするとの考えが示されました。プロセスを修正することで、オブザーバーは将来の理事会に参加できるようになります。
 
第三の決議によって、理事会の会期中に議長に助言を提供する非公式諮問グループのマンデートを再確認しました。
 
第51回理事会の議題の主要トピックはITTOの新事務局長の選出でした。一週間に渡る理事会で集中的に協議したものの、結果的に今回の理事会での選出には至らなかったため、改めて2016年に選出プロセスを再開し募集することになります。
 
また、理事会ではいくつかの新規プロジェクトを承認し、森林経営、統計、経済と市場、林産業分野で進行中のプロジェクトの実施状況について再検討を実施しました。他にもプロジェクトの事後評価を受けましたが、とりわけインドネシアの非木材林産物の参加型経営とガーナのコミュニティー森林火災管理について取り上げられました。持続可能な森林経営の実施に向けたグッドガバナンスの促進と能力育成についての戦略的優先事項を含む、ITTO2カ年事業プログラム(2015年~2016年)の実施状況に関してもレビューを行い、さらにはITTOとCITESならびにITTOと生物多様性条約事務局の間の協力を強化する方法についても議論を重ねました。
 
2015年の年次市場ディスカッション(貿易諮問グループ主催)は「市場で熱帯木材の注目度を高める」というテーマの下で開催されました。熱帯木材セクターは木材製品が合法的で信頼できるものだということを実証してきたことから、その認知度を上げるのに今が最適であり、だからこそ木材を取扱う建築家、エンジニアやデザイナーといった専門家にこのことを広く伝達する必要があるのだと参加者達に訴えかけました。
 
会期中に、市民社会諮問グループは永久林における土地利用の転換や植林についてのサイドイベントを、そして欧州連合(EU)とITTOは合法木材のための独立市場監視機構に関するサイドイベントをそれぞれ実施しました。
 
理事会におけるドナーは米国と韓国でしたが、生物多様性条約事務局もまた森林生態系再生イニシアティブ(FERI)を通じて資金を提供しています。日本やドイツを含む他ドナー各国は、ITTOの投資および財務管理状況の調査結果が十分に出れば2016年にITTOへの支援を継続していきたいと述べました。
 
ITTOの最高意思決定機関である国際熱帯木材理事会は少なくとも年1回開催し、持続可能な森林経営と熱帯木材貿易を促進するために広範な議題について協議を行います。次回の第52回理事会は2016117日~12日に横浜で開催予定です。
 
ITTOならびに第51回国際熱帯木材理事会に関する資料はwww.itto.intよりご覧いただけます。
 
 Earth Negotiations BulletinENB; 地球交渉速報)による理事会日報(英語)はhttp://www.iisd.ca/forestry/itto/ittc51/から入手できます。