51st session of International Tropical Timber Council begins in Kuala Lumpur

2015年11月17日

第51回国際熱帯木材理事会開会式の様子。写真提供: R. Carrillo, ITTO

11月16日にマレーシアのクアラルンプールで第51回国際熱帯木材理事会が開幕しました。今回の理事会では特に国際熱帯木材機関(ITTO)の新事務局長の選出について取り上げられることから、ITTOの将来に大きな影響を及ぼすものと考えられます。新事務局長の選出プロセスは昨年の第50回国際熱帯木材理事会で始まりました。現事務局長のエマニュエル・ゼ・メカ氏は今月初めにITTOを退職しています。
 
理事会の冒頭でスティーブ・ジョンソンITTO担当役員は参加加盟各国に対して、ITTO内および国際的にも全加盟国の尊敬と支持を得られる新事務局長の選出を会期中に実施するよう要請しました。ITTO事務局内では今後1年以内に事務局職員の約4分の1が退職予定です。このため、新しく任命される事務局長にはITTO事務局を新しく形成していく機会が与えられるとジョンソン氏は述べました。理事会議長のB.C.Y.フリーザイラー博士は、昨年開始した新事務局長選出の過程を重ねて、全会一致での決定を呼びかけました。
 
理事会の開会挨拶を行ったマレーシアプランテーション産業・商品省のダトゥク・アマール・ダグラス・ウガ・エムバス大臣は、同国がITTOの創設メンバーだったことを振り返り、ITTOがプログラムやプロジェクトを通して熱帯林業の専門知識を向上させるという役割を担ってきたことに対して、感謝の意を表しました。同氏はまた、加盟国が直面している持続可能な森林経営を実施する際の課題をいくつか指摘し、これらを克服するにはITTOによる更なる事業が必要になると述べました。
 
開会式ではまた、カメルーンのヌゴレ・フィリップ・ヌグワセ森林と野生生物大臣がITTOの生物多様性の保全と能力育成プロジェクトがとても有益であったと述べたほか、ガーナ土地と天然資源省のセルワ・アサモア副大臣は今回の理事会でITTO事務局長を選出することが大切であると訴えました。
 
マノエル・ソブラル・フィーリョ国連森林フォーラム事務局長は、世界のリーダーが集結した国連サミット(今年9月にニューヨークで開催)で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と新たな17ゴールの目標は、環境を保護しながら貧困を撲滅することだと報告しました。ソブラル博士は続けて、ITTOは「2015年以降の森林に関する国際的な枠組み」と新しい「世界森林資金供給促進ネットワーク」で主導的な役割を果たせるだろうとも述べています。
 
理事会は21日に閉会しますが、それまでにITTO2カ年事業プログラム(2015年~2016年)ならびにテーマ別プログラムの実施に関する進捗報告書が理事会に提出される予定です。また、ITTOとCITESの連協状況と熱帯林の生物多様性のためのITTO-生物多様性条約事務局共同イニシアティブについても総括します。さらには今年の熱帯木材市場状況に関する年次ディスカッションでは「市場で熱帯木材の注目度を高める」というテーマを掲げます。理事会ではITTO出版物である『天然熱帯林の持続可能な経営のための自主的ガイドライン』、『変化するヨーロッパの熱帯木材貿易』、『木材調達政策の影響』についても取り上げることになっています。
 
理事会の会期中にはサイドイベント:土地利用の転換や永久林での植林(市民社会諮問グループ主催)と合法木材のための独立市場監視機構(欧州連合・ITTO共催)が予定されています。
 
国際熱帯木材理事会は少なくとも年1回開催し、持続可能な森林経営と熱帯木材貿易を促進するために広範な議題について協議を行います。ITTOおよび第51回理事会についての詳細はwww.itto.intをご覧ください。
 
Earth Negotiations Bulletin(ENB; 地球交渉速報)による理事会日報(英語)はhttp://www.iisd.ca/forestry/itto/ittc51/から入手できます。