ITTOとAPFNetがサラワクでSFM推進のためのプロジェクトを立ち上げました

2015年3月31日

ITTOとAPFNetがプロジェクトを始めるマレーシアのサラワク北部のスンガイメディ流域のプナング村。写真提供:T. Goto, ITTO

ITTO–AFPNetプロジェクト立ち上げの式典。前列左から:ITTO事務局長エマニュエル・ゼメッカ氏、サラワク森林部長ハジ・サプアン・ビン・アマド氏、APFNet事務局長チュ・グイリン氏。写真提供:T. Goto, ITTO


ITTOと持続可能な森林経営のためのアジア太平洋ネットワーク(APFNet)が最近立ち上げたプロジェクトは、マレーシアのサラワク北部のスンガイメディ流域における持続可能な森林経営(SFM)を推進します。この地域の3万5400ヘクタールの森林は、持続不可能な伐採によ劣化し続けており、移動耕作、狩猟採集で生活をしているケラビ及びペナンの人々に壊滅的な影響を与えています。
 
コミュニティをベースにした本プロジェクトは流水域の劣化を回復するために以下のことを行います。

  • 森林資源、生物多様性、伝統的な知識及び社会経済的状態に関するベースラインデータの確立
  • コミュニティレベルでの森林経営計画策定の支援
  • 持続可能な森林経営方法の実地説明
  • コミュニティレベルでの森林経営の仕組みの確立
  • 野菜栽培、エコーツーリズム、養鶏、魚の養殖、畜産などの代替生活手段の導入
  • 多目的会議ホール、コミュニティーの学校、代替エネルギー施設、砂利道など、村のインフラの建設または向上

 
本共同プロジェクトはマレーシアのサラワク州にあるミリで2015年3月23日に催された祝賀式典で開始されました。この式典にはAPFNet、 ITTO及びサラワク州の関係者が参加し、サラワク州のY.B. ダトゥ・アマル・ハジ・アワング・テンガ・アリ・ハサン資源計画及び環境大臣、サラワク森林部ハジ・サプアン・ビン・アマド部長、APFNet事務局長のチュ・グイリン教授,及びITTOのエマニュエル・ゼメッカ事務局長も参加しました。

ITTO APFNet—協力関係の強化

本プロジェクトは、APFNetが資金提供し、ITTOの監視の下サラワク森林部が実施しますが、共通の目標を追っているAPFNet と ITTOの協力関係が強化されてきた結果の一部です。本プロジェクトの予算は全体で59万3千ドルですが、そのうちAPFNetが46万ドルを拠出し、残りの13万3千ドルはサラワク政府が提供します。

APFNet と ITTOは過去には、他のパートナーと共に、2013年4月に中国の海口で森林統計ワークショップを行い、また2014年9月には中国の昆明でアジア太平洋地域ワークショップを共同で行いました。APFNetはコスタリカのサンホセで2014年4月に行われ、ITTOが共催した熱帯林の環境サービスへの支払いに関する国際フォーラムの参加者の資金援助もしました。ITTO 及びAPFNetは2014年12月にペルーのリマで行われた国連気候変動枠組み条約第20回締結国会議にも共同でブースを設置しました。

本プロジェクトの開会式でゼメッカ事務局長はAPFNet と ITTO間でのパートナーシップに進展が見られることを喜んでいることを伝え、「ITTOはサラワク州が住民と森林の持続可能な未来に向けて行っている努力を支援するために、今後もAPFNetとさらなるパートナーシップの強化をしていきたい」と述べました。