第50回国際熱帯木材理事会が開催されました

2014年11月3日

緑の大使が開会式で森林の大切さを伝えました。写真提供:R. Carrillo/ITTO

国際熱帯木材理事会[1] (ITTC)は11月3日に、国際熱帯木材機関(ITTO)の将来に重要な影響を与える節目となる第50回目の総会を開催しました。主要な議題は2015年11月に赴任する新しい事務局長の選出及び2015年-2016年の2ヵ年事業計画の承認でした。理事会はまた2013-2014年の2ヵ年に関する国際熱帯木材状況を検討し、「国内及び新たな国際市場―変化する市場動向」のテーマの下で年次市場討論が行われました。

理事会の総会では、ITTOが実施している下記のようなプログラム、活動、プロジェクトの定期的な監視を行います。
  • ITTO-CITES プログラム,
  • 熱帯林多様性に関するITTO-CBD 共同イニシアティブ
  • ITTO テーマ別プログラム等. 
 
総会は、理事会の議長であるロバート・ブシンク氏(オランダ)によって開会されました。議長はまず、スリナム及びベトナムが国際熱帯木材協定2006に加盟したことを強調しました。ITTOの加盟国は現在、これまでで最多の69カ国になりました。議長はまた、今回の理事会が50回目を迎えることの重要性を指摘しました。それは、単にこの節目を迎える意義だけでなく、2016年に行われる森林にする国際条約の見直しなど、国際舞台における森林が直面してい問題が大きくなっているからです。ブシンク氏はまた、持続可能な森林経営(SFM)は「人のため」だけでなく、「人と共に」あるべき必要があり、そのために、「ITTOフェローシッププログラム」のような人材育成のイニシアティブが重要な意義を持つことを強調しました。

開会式には、今井敏林野庁長官、横浜市の渡辺巧教副市長氏、バラット・ジャグデオ元ガイアナ大統領、スリナムのスティブン・レリベド配置計画、土地及び森林経営大臣、コートジボワールのマシュー・ババウ ダレ水・森林大臣、カメルーンのンゴレ・フィリップ・ングウェス森林・野生生物大臣、コンゴ共和国のアンリ・ジョムボ森林経済・持続可能な発展大臣、ガボンのバジル・ムボウムバ森林環境・自然資源保全大臣の要人が出席しました。

ITTO のエマニュエル・ゼメッカ事務局長は冒頭陳述で、第50回ITTC総会はITTOの発展の過程での重要な節目であることを強調しました。また、熱帯林の持続可能な経営のための画期的なガイドラインの作成や基準と指標(C&I)の先駆的な業績など、ITTCが政策立案やフィールドレベルでの影響に重要な役割を担っていることを指摘しました。さらに、認証制度、森林法実行、CITESとの協力など熱帯林が世界中で管理され、保全される方法に多大な影響を与えてきた、画期的な理事会の決定について言及しました。

ゼメッカ氏はまた、2014年にITTOが実施した事業を強調しました。その中には熱帯林の持続可能な経営に関するガイドラインの採択、コスタリカで行われた熱帯林の環境サービスの支払いに関する国際フォーラム、生物多様性条約との共同を2020年まで延長するための覚書の署名、EU市場に参入するFLEGT認証木材の独立市場監視(IMM)システムの確立、ITTOウェブサイト上でのプロジェクト検索機能の作成などが含まれます。

総会中に、さまざまなパートナーとサイドイベントが予定されています。熱帯林の環境サービスの支払いの推進、アマゾン、コンゴ、東南アジアの3ヶ所の熱帯林盆地間での協力、グアテマラにおける木材の合法性と合法性と追跡可能性の向上のための電子ツールの使用についてのサイドイベントが行われます。

ITTO及び第50回理事会総会に関する詳細は下記のウェブサイトをご覧ください。
www.itto.int.

Earth Negotiations Bulletinによる第50回理事会総会の毎日の報道は下記のウェブサイトをご覧ください。
http://www.iisd.ca/forestry/itto/ittc50/

[1]理事会は国際熱帯木材機関(ITTO)の統治機関で、少なくとも一年に一度集まり、熱帯林の持続可能な経営(SFM)及び持続的に生産された熱帯木材の貿易を促進することを目指し、広範囲の問題について議論を行います。