メキシコの女性コミュニティーグループが薬用植物についての知識を共有

2015年10月16日

メキシコ、ベラクルス州ハマパ市の女性たちは、同地域内で広がりつつある非木材産品(NTFPs)に関する伝統的知識の普及を目的とした薬用植物についてのマニュアルを公表しました。本マニュアルは、メキシコの海岸林が提供する環境サービスの価値を評価することを目的としたITTOプロジェクトRED-PD 045/11 Rev.2 (M)の成果物としてまとめたものです。

マニュアル(スペイン語のみ)では44種類の植物とベラクルスの農村地域の伝統医学でこれらの植物を利用する際の情報についてまとめています。これらの植物の多くはメキシコの他地域と諸外国でも見られるものです。本マニュアルでは植物の科学的、一般的名称、植物の利用可能な部分、治療できる疾患、薬へ利用できるようにするための方法、植物の見られる地域、詳しい特性、および関連のイラストや写真も盛り込んでいます。

例えば、アボカドの木(Persea americana)の葉の浸出液はコレステロールおよび糖尿病を治療するために使用されます。レッドシダー(Cedrela odorata)の樹皮は、ヘルニアや嚢胞の治療に適用することができます。またcuajiloteまたはcaiba(Parmentiera aculeata)の果実は、腎臓の痛みを軽減することができます。

マニュアルに記載の情報についてはメキシコの地元女性グループであるGrupo de Mujeres del Vivero de El Piñonalが編集を担当しました。また、Instituto de Ecología, A.C.という研究所でITTOプロジェクトを実施するメンバーが植物の種の特定を行い、提供された情報の検証を担いました。本マニュアルは重要で科学的な事業だったということだけではなく、それが地域社会の伝統を反映したものであると言えます。