日本のクリーンウッド法の施行を支援するセミナーが開催される

2019年5月10日, 東京

畑茂樹林野庁木材貿易対策室長が、日本での合法木材の輸入促進ワークショップにおいて開会挨拶を行った。写真撮影:K. Sato/ITTO

日本のクリーンウッド法の施行を支援するため、熱帯木材生産国5カ国の木材の生産と貿易に関する法的枠組について情報を提供するセミナーが、3月に東京にて開催されました。日本のクリーンウッド法は、2016年に成立、翌2017年に施行されましたが、合法的に収穫された木材および木製品の利用を徹底するよう企業側の取組みを奨励するものです。

持続可能な森林とビジネスには、木材の合法性に関する最新の情報の入手が重要です。  日本における合法木材の輸入促進に関するワークショップは、ITTOと地球環境戦略研究機関(IGES)との共催で2019年3月8日に開催され、日本企業に対し、ブラジル、エクアドル、ラオス、フィリピンおよびタイにおける木材生産、法制度、リスクとその緩和対策についての最新情報が提供されました。

日本の林野庁木材貿易対策室の畑茂樹室長は、ワークショップの開会に当たり次のように述べました。日本は現在世界第3位の木材輸入国です。クリーンウッド法の下で自発的に登録を行った企業の数は増加しており、林野庁は、企業による海外での木材調達方針に役立てることができるようオンラインプラットフォームを立ち上げました。このプラットフォームには既に19の木材生産国と地域に関する情報が蓄積されています。林野庁は、このうちの5カ国についてITTOに調査を委託しました。収集された情報が木材ビジネスに役立つよう願っています。

ITTO貿易・産業部長のスティーブン・ジョンソン博士の発言は次のとおりです。熱帯木材生産国では政策や法律が急速に整備されてきており、最新情報の入手が欠かせません。IGESの専門家は、ブラジル、エクアドル、ラオス、フィリピンおよびタイについて、各国の森林セクターの概要と、木材の収穫、輸送、加工、輸入および輸出を司る法令に関して報告を行いました。発表ではさらに、合法性に関するリスクとリスクを緩和するために鍵となる事項が明らかにされました。

ブラジルに関する報告は次のとおりです。同国の人工林は総森林面積のわずか1.5パーセントですが、天然林の5倍の産業用丸太が生産されています。主な植栽樹種はユーカリとマツ類で、日本への主要輸出製品はウッドチップです。法律で認められている木材の生産と供給方法は5通りあり、そのそれぞれについてサプライチェーン全体に適用される規則と必要書類が定められています。州政府は独自の規則を定めることができます。ブラジルでは、収穫から輸送、加工および取引までを包括した林産物の原産地管理に向けて、国家林産物原産地管理システム(Sistema Nacional de Controle da Origem dos Produtos Florestais:SINAFLOR)という全国レベルのオンライン管理システムが試行中です。

エクアドルからは次のような報告がありました。森林の約40パーセントが国有、6パーセントが私有ですが、残りの所有権は不明です。国内にあるアマゾンの天然林で収穫される約120の樹種も国内市場に出回りますが、主な産業用樹種はバルサ、ユーカリ、マツ類です。エクアドルはパルプや紙を輸入し、ユーカリチップと少量の製材を日本に輸出しています。国内での木材の供給源は民間の人工林、私有地にある天然林およびアグロフォレストリーです。各供給源ごとに規則と手続きが定められており、輸送、加工および輸出にも適用されています。

ラオスに関しては次のとおりです。ラオスでは天然林の伐採が禁止されており、川下の加工業にはCoC認証(生産・流通・加工過程の管理認証)(Chain of Custody:CoC)は確立されておらず、木材のトレーサビリティが課題となっています。ラオスは、EU FLEGT(森林法施行、ガバナンス、貿易)の下でEUと交渉中です。日本への主な輸出木材は木炭です。

フィリピンでも天然林での伐採が禁じられており、木材生産のほとんどはファルカタ(Paraserianthes falcataria)のような早生樹の人工林で行われています。フィリピンから日本には、家具、輸入丸太から生産された原材料、製材品、合板といった付加価値製品が輸出されています。フィリピンでは木材の合法性保証制度の策定が検討中されています。

タイでも天然林での伐採は禁止されており、ゴムとユーカリが主な植栽樹種です。木材の収穫、輸送、加工、輸出に関する許可や手続は、使用権の区分と樹種に「制限」がかけられているか否かにより異なります。加工施設には木材の原産地の記録が義務付けられておらず、製品を供給源まで追跡することが困難となっています。タイから日本への主な輸出品はウッドチップと木製家具です。

5カ国のそれぞれについて、企業が木材や木製品の合法性を確認するために閲覧することができる必要書類のサンプルが紹介されました。

詳しくはクリーンウッド法ウェブサイトご覧下さい。ワークショップで取り上げられた5カ国に関する情報が掲載される予定です。