世界木材指標、市場予想のサブインデックスを発表

2025年1月29日, 横浜

GGSC Secretariat

ブラジル、パラナ州パルマスの倉庫。写真:Banco de Imagens Marini

多様なパイロット国における木材セクターの業績を追跡する世界木材指標(Global Timber Index: GTI)は、GTIパイロット国の主要木材企業における今後6ヶ月間の木材・木材市場の動向に関する確信度を追跡・監視するための新しいサブインデックス、市場予想指数(Market Expectation Index)を開始しました。今回の追加により、GTIは12のサブインデックスを保有し、パイロット国における木材セクターの生産とビジネスの動向をより包括的に映し出すことが可能になりました。

タイ(53.3%)とブラジル(51.1%)のGTIは12月に基準値の50%を上回り、木材セクターの上昇傾向を示しました。しかし、中国(49.8%)、コンゴ共和国(41.6%)、メキシコ(39.9%)、ガーナ(36.4%)、ガボン(34.7%)、マレーシア(20.3%)のGTIは基準値を下回っており、世界の木材市場は依然として低迷しており、大きな下振れリスクがあることを示唆しています。

今月は、GTIに参加する生産国すべてで伐採量が減少していますが、マレーシア、ブラジル、ガボン、メキシコではとりわけ顕著でした。さらに、前述の国々での伐採量の減少は数ヵ月間続いており、同4か国での原木供給が大幅に減少していることが示されています。このような減少の原因には、需要の低迷(特に欧州、アジア、中南米などの市場)などいくつかの要因があります。

ガーナのイー・シン・ヘ・ガーナ社の工場。写真:Peter Zormelo

幸い、いくつかの木材市場は明るい兆しを見せています。例えば、タイでは国内市場の需要が前月に比べ大幅に増加、ブラジルと中国では輸出注文量が増加するとともに、メキシコでは輸出市場が数ヶ月にわたる縮小に終止符を打ちました。

その他のニュースとしては、木材生産に特化した指数であるGTI-生産者指数(GTI-Producers Index)が48.4%、木質パネルに特化した指数であるGTI-木材パネル指数(GTI-WBP Index)が42.9%であり、12月は両サブセクターとも減少したことが挙げられます。

またGTIは、パイロット国における持続可能な森林経営への進展が顕著であることを報告しています。例えば、インドネシアの環境林業省は12月、輸出されるすべての木材製品の原産地を確実に追跡できるよう、トレーサビリティ機能を強化した合法性・持続可能性検証システム(SVLK)プラスを立ち上げました。

マレーシアは、2021年から2025年の間に1億本を植林するという目標を予定より大幅に前倒しで達成しました。マレーシアの森林面積は、現時点で、1,800万ヘクタールであり、国土の54.58%を占めています。

ガボンとEUは、最近、ガボンの森林の持続可能な経営のための技術支援プログラムを正式に開始しました。同プログラムの第一目標は、ガボンの森林法を、国内の実情に適合させつつ国際基準に適合させ、森林資源の持続可能かつ公正な利用を確保することです。さらに、EUによる森林減少防止規則(EUDR)への遵守を確保することも目指しています。

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