ITTO、世界環境デーに「再生の世代」へのコミットメントを強調
2024年6月5日

2024年の世界環境デーは、土地の再生、砂漠化の阻止、干ばつに対するレジリエンスの強化に焦点を当てています。写真:Cinemanikor/Pond5
2024年6月5日、横浜:ITTOは、2024年の世界環境デーのテーマ「私たちの土地、私たちの未来。 私たちは #再生の世代( “Our Land. Our Future. We are #GenerationRestoration”)」が、持続可能な未来のために土地を回復させることの重要性を強調すると同時に、ITTOの使命と現在進行中の活動に完全に一致すると考え、国際社会とともにこの日を祝います。
土地の再生、砂漠化の阻止、干ばつに対するレジリエンスの構築に焦点を当てた世界環境デー(英語)に、シャーム・サックルITTO事務局長は、森林景観再生が持続可能な開発目標(SDGs)と「国連生態系回復の10年」の目標に大きく貢献するためには、経済的に持続可能で、誰もが排除されず参画できるものでなければならないと強調しました。
「ITTOは持続可能な開発の3本柱を強化し続けることを約束しています。」とサックル事務局長は語りました。「劣化した森林景観の回復は、環境上の必要性だけでなく、経済的・社会的に不可欠なものでもあります。私たちの世代は、再生の取り組みに持続可能性と包摂性を統合することで、SDGsに向けた意義ある前進を推進し、これからの世代のために、より健全な地球を確保することができます。」
ITTOは、荒廃した森林景観の再生に常に強いコミットメントを持ち、熱帯地域全体で適用可能なガイドラインの開発や、そのようなガイドラインがどのように実施・スケールアップできるかを実証する国や地域のプロジェクトを通じて、この重要なニーズに取り組んできました。
ITTOの政策ガイドラインは、熱帯諸国、森林関係者、地域社会による熱帯林生態系の保護、回復、持続可能な経営、利用の取り組みを支援する実用的なツールです。ITTOは2002年に森林の回復と再生に関する最初のガイドラインを発行しました。2020年に発行された「熱帯地域における森林景観再生のためのガイドライン」(英語)は、2002年のガイドラインを全面的に更新したものであるとともに、森林景観再生の効果的な実施を実証する18のケーススタディも掲載しています。
例えば、マレーシアとタイのケーススタディ[1]では、荒廃した鉱山跡地を再生し、生物多様性の保全に成功したことが示されています。エクアドルの事例[2]は、流域管理のための費用対効果の高い戦略として雲霧林が再生された例を示しています。また、マダガスカルの例[3]は、マングローブの再生が生態系の保全と地域の生計維持の双方に役立つことを実証しています。
地域コミュニティが参加し、政府機関やNGOとの連携のもとで現在実施されている数々のITTOプロジェクトは、熱帯地域の荒廃した土地の回復に貢献しています。トーゴ(英語)でのプロジェクトは、森林被覆と生物多様性を増加させ、地元の生計を向上させることを目的として、フォスオリヨン保護林の土地利用管理システムの改善を推進しています。フィジー(英語)では、気候変動の影響を緩和し、食料安全保障を強化することを目的とした、サイクロンの影響を受けたレワ・デルタのマングローブ生態系の回復を促進するプロジェクトが、第2フェーズに入っています。またコスタリカ(英語)では、森林被覆、炭素隔離、生計を改善しながら、将来の持続可能な木材の需要を満たすために、商業的に採算の合う再植林を促進する新しいプロジェクトが実施されています。
これらのプロジェクトは、貧困の撲滅のためには、経済を発展させ、社会的ニーズを満たし、気候変動を緩和し、環境の持続可能性のための戦略と連携しなければならないことを認識しており、ゆえに、SDGsに完全に合致していると言えます。
ITTOは、熱帯林の景観を回復するために、多様なステークホルダーと協力することにコミットし続けると、サックル事務局長は述べました。国連砂漠化対処条約(UNCCD)と最近締結した覚書は、パートナー間の相乗効果を高め、共有目標を推進する努力の一例であり、ゆえに、#GenerationRestorationへの一助となります。私たちは土地と人類に平和をもたらすことができる世代なのです。
[1] ガイドラインの100ページ、 “The domestication of endangered, endemic and threatened plant species in disturbed terrestrial ecosystems in Malaysia and Thailand” をご覧ください(英語)。
[2] ガイドラインの106ページ、 “The restoring cloud forest on private and communal land in the Ecuadorian Andes” をご覧ください(英語)。
[3] ガイドラインの132ページ、 “The restoration and community management of mangroves on the west coast of Madagascar” をご覧ください(英語)。