EUの民間部門の木材調達における優先順位を調査する新しい研究

2019年3月6日

ガーナの製材所でヨーロッパ市場向けに木材を梱包する作業員。写真提供: IMM

民間企業の調達政策は北の先進国及び世界的に展開する企業でより顕著になっています。 独立市場監視(IMM)が公表した最新の特別調査では、欧州連合(EU)における企業の木材調達方針に影響を与える可能性がある100以上の組織、ツール、イニシアティブ、テンプレート、ガイダンスを特定しました。

IMMによるこの最新調査では、これらの潜在的な影響の原因のうち65点が、認証、法令順守、EU FLEGTライセンスなどの重要な指標に対する態度とサポートを特定するために評価されました。この調査では、FLEGTライセンスのサポートレベルを決定するために、小売から木材輸入までの幅広い分野のEUを拠点とする大企業20社の責任ある購買方針も分析しました。インタビューは業界団体、木材販売業者、市民社会団体に実施し、それぞれの見解について調査しました。

FLEGTライセンスに対するサポートはまだ森林認証に見合っていない
この調査ではFLEGTライセンスに対するサポートはまだ森林認証で達成されているレベルには達していないことが判明しています。森林認証の一部あるいは全形態については評価された有力なソースの70%以上がサポートにポジティブかつ明確である一方で、FLEGTライセンスについては40%に過ぎませんでした。

FLEGTライセンスはそれをブランドと見なしたとき、森林認証の利点が少ないことが認められました。インタビューや分析を行った多くの企業や組織にとって、FLEGTライセンスはその価値と現場での実績の観点から、まだ利点については証明されておらず、、さらにはしばしば入手不可能なものです。

EUの木材規制の性質とすべてのEU諸国におけるその普遍的な適用は、企業の方針がそれにさらなる地位を与えるかどうかにかかわらず、市場で地位と意味を持てるようにすべきです。しかしながら、実際にはFLEGT認証木材は依然としてニッチ製品であり、ニッチ内で働いている人々でさえ「FLEGTブランド」に対して様々なレベルのサポートや信念、信頼、およびそれが何を表すのかを示しています。

報告書ではEU市場でFLEGTライセンスを得た材料の価値を高めるために、以下に掲げることを提言しています。
  • FLEGTライセンスの基盤となるシステムの独立監視及び評価についての関連結果をタイムリーかつ、民間部門にとって魅力的な形式で伝達する。
  • 民間部門の調達方針に影響を与えようとするこうした市民社会組織や民間部門組織を積極的に関与させる。
  • FLEGT諸国、特に木材合法性保証システムを積極的に取り入れている国々における民間部門の取り組みを支援し、そのようなシステムが持つメリットとプラスの影響を促進する。
  • EUとVPAを締結している国からのFLEGT認証木材の導入を促進する。
IMMは欧州連合(EU)の資金提供とでITTOが運営する複数年プログラムです。IMMの役割は貿易フロー分析と市場調査を使用して、EUの森林法施行、ガバナンスと貿易(FLEGT)イニシアチブの自主的パートナーシップ協定(VPAs)が貿易と市場に与える影響を独立に評価することです。

IMMについての詳細:http://www.flegtimm.eu/
報告書『EU自主的民間部門木材調達政策とFLEGTライセンスの役割(英語)