森林に関する知識が悲惨な気候変動を回避するカギに

2018年10月27日, 北京(中国)

森林研究機関のトップが出席した国際ワークショップにおいてパネルディスカッションで話すディタレ博士。 写真提供: Li Qiang/ITTO

地球温暖化を1.5℃未満に抑えるために必要なレベルまで、地球温暖化ガスの排出を削減するためには、熱帯林と代替の木材製品が不可欠だとゲァハート・ディタレITTO事務局長が述べています。
 
「世界は、再生可能でない製品やエネルギーの消費を大幅に削減すれば、2030年の持続可能な開発目標と2050年の1.5℃の温度上昇という目標を達成できるでしょう」、そして「木材製品による森林と代替品が、この気候変動の緩和に役立つ可能性を秘めています。 私は皆さんと一緒に大きな貢献ができると信じています」と語りました。

中国林業化学研究院60周年記念式典の一環として、先週北京で開催された森林研究所の国際ワークショップで、ディタレ博士は悲惨な気候変動による気温の上昇を回避するために、熱帯生産林が秘める巨大な可能性をどのように実現するかについてさらなる知識が求められると述べました。


「特に、ITTO生産加盟国や他の途上国に対する林業に関する国際的な共同研修を通じた持続可能な森林経営や生産、森林景観修復に関する知識をつける必要性と需要が大いにあります」と続けました。

 熱帯生産林は農村部の雇用の創出、バイオ燃料の生産、炭素隔離、再生可能な製品生産、食料安全保障の支援、水の安定的供給など、持続可能な開発目標の達成に多大な貢献をもたらす可能性を秘めているとディタレ博士。
 
また、中国林業科学研究院60周年を祝福し、同研究院のこれまでの森林知識や持続可能な森林経営と森林産業貿易に関する専門性を称えました。 同氏はITTOと研究院との間の実りある30年に及ぶ協力関係についても言及し、中国の40以上のプロジェクトのほとんどはITTOの資金提供によるものであり、これらのプロジェクトでは研究院から技術支援やサポートを受け、ITTOの事業にとっても有益なものであると述べました。
 
中国における植林と森林再生、自給自足への取り組み、グリーンサプライチェーンについての民間セクターのイニシアティブなどによる木材需要と供給のギャップ縮小に対する取り組みが成果を挙げていることに対しても評価し、さらに次のように続けました。

「熱帯生産国では法律や持続可能な製品市場からの需要を満たすのに苦労しており、市場から発せられるシグナルが様々な取り組みに対して、とても効率的な刺激になっています」。

 そして、「こうしたことから、中国の主要民間企業によるグローバルグリーンサプライチェーンイニシアチブへの支援が、パートナーシップにとっても重要な出来事だとの認識でいます。成功させるためには、情報、知識、スキルのギャップを埋める必要があります。そして私たちは皆でこの目標達成に向けて歩んで行けると確信しています」と締めくくりました。

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