CITES樹種プログラムに関するアジア地域会議で種の存続等を害することにならないという確認についてのさらなる研修を呼びかける

2018年7月3日

インドネシアのジョグジャカルタ近郊のプランテーションで生育したDalbergiaの木材加工施設を視察するCTSPアジア地域会合の参加者。写真提供: K. Ishii/ITTO

2018年6月25日から29日にインドネシアで開催されたCITES樹種プログラム(CTSP)に関する会議で、参加者はCITES掲載樹種の木材製品貿易規制を改善する方法として、種の存続等を害することにならないという確認(Non-Detriment Findings)を準備するための研修をさらに実施するよう呼びかけました。
 
2017年6月に公表されたCTSPの目的は、CITES掲載樹種の貴重なパーツや派生品を輸出する国を支援することにあります。2016年に終了したITTO-CITESプログラムによってそれまでの10年以上の長きに渡りCTSPは活動を継続してきました。900種類以上の樹種の多くが高価値だとされており、CITES附属書に掲載されています。

ITTO、CITES事務局、インドネシア政府自然資源保全生態系総局が主催した今回のCTSPアジア地域会議には8カ国から約50名が参加しました。会議ではCITES樹種プログラムの概要とこれまでの研究成果や国家プロジェクトの提案のレビュー、そしてCITESリスト掲載の熱帯木材種要件実施に関連した様々な問題についても提言を行いました。

提言の一つは、国際機関がCITESの要件に沿った種の存続等を害することにならないという確認(Non-Detriment Findings)を行う能力向上を目指す地域研修を行い、そのための資金提供をすべきだということでした。 コスト効果を確実にするために、ITTOの持続可能な森林経営のための基準と指標に関する研修など、地域や世界会議と合わせて研修ワークショップを実施することも検討できるでしょう。

参加者はまた、種の特定、製品のマーキングとトレーサビリティ、種の存続等を害することにならないという確認の開発、CITESリストに掲載されている熱帯木材種要件実施に関わることなどに関する情報、知識、専門知識のネットワーク化と交換を推進するためにCITES事務局がウエブベースのプラットフォームを構築することで合意しました。

一方、ジョグジャカルタではCTSPアジア地域会議終了直後に第2回野生・プランテーションアガーウッドの管理に関する地域ワークショップが開催されました。 このワークショップではアガーウッド生産種の管理と保全に関する関係各国間の協力強化と、アガーウッドの生産と貿易における天然林の管理と植林のバランスの取り方について議論しました。

参加者は特にCTSPがアガーウッドの生産種の保存状況に関する世界的な概要についてまとめること、そしてアガーウッド製品の最新製造技術、現在の接種方法、ベストプラクティスに関するケーススタディおよびアガーウッド製品の用語集についての報告書を作成することを提案しています。また、天然および植林されたアガーウッドの生産林の管理をどのようにバランスよく行うかについても報告書に盛り込むよう提言しています。