Keeping timber trade legal, Malaysia’s customs officers given a helping hand

2016年5月13日

マレーシアを経由する丸太の輸送前にサバ州で検査を実施。写真提供:サバ財団

2016年5月12日にマレーシアのプトラジャヤにおいて、税関当局を支援するための木材貿易ガイドラインの開発を行うことを目的としたワークショップが開催されました。このワークショップは、マレーシアプランテーション事業・商品省(MPIC)、マレーシア木材産業局(MTIB)、マレーシア税関とTRAFFIC(トラフィック)の主催ならびに世界税関機構(WCO)とITTOとの共同で、ITTO二ヶ年事業計画(2015年~2016年)の一環として実施されたものです。マレーシア各地から100人以上の税関職員、林業関係者、木材貿易の執行部門と民間企業の代表者らが集結しました。 

木材は推定年間売上高300億ドルを超える世界的に取引される最も貴重な天然資源商品となっています。 2015年、マレーシアだけで5億4600万ドルの木材・木材製品を輸出しており、その主な輸出先は日本(0.98億ドル)、米国(0.74億ドル)です。しかしながら違法貿易は違法伐採や加工とともに、持続可能な森林経営(SFM)への脅威となっており、毎年、世界経済の30億ドルから100億ドルあるいは世界全体の木材貿易の10%から30%程度を占めると推定されます。

「私たちの国と天然資源が違法伐採や違法木材貿易によって脅かされることのないようにするためにマレーシアは慎重にそして一生懸命に取り組む必要があります」とマレーシア木材産業局(MTIB)次長のハッジャー・ヌールチャハヤ・ハシム氏は開会の挨拶で述べました。

税関職員は合法的な資源から得られた木材のみをマレーシアから輸出、輸入、そして経由させるために重要な役割を果たします。とはいうものの違法木材がサプライチェーンに入ってくることもあれば、合法材に混入してしまうという一定の危険があることも事実です。

ブリュッセルの世界税関機構(WCO)コンプライアンス・ファシリテーション部門のリー・サンヒュ氏は「税関向けの木材に特化したガイドラインや基準物質が違法木材貿易を阻止するために重要です」と述べ、「だから我々は最前線にいる税関のためのガイドラインを開発するために、マレーシア政府、ITTOとTRAFFICと協力できることを非常に嬉しく思います」と続けました。

MTIBのハッジャー・ヌールチャハヤ氏は「マレーシアがこのプロジェクトを支援することができて光栄です。それに私たちの蓄積してきた木材貿易に関する経験や知識をガイドラインの試験的作成に活用していただけることを嬉しく思っています」と話しました。

また、ITTO事務局長代理のスティーブン・ジョンソン氏は次のように述べています。「このイニシアチブは、ITTO加盟国の税関職員が国の政策と森林セクターに関係する機関が自国の森林の経済的、社会的、環境的価値を保護するための取り組みを支援することにつながります。」

「木材の密輸や違法な木材貿易を撲滅することが多くの国で最優先事項になっています。」TRAFFICの木材貿易プログラムリーダーであるチェン・ヒンケオン氏は述べ、さらに「税関はそのような違法貿易活動に対処するための主要な執行機関であり、われわれTRAFFICはITTOとWCOと協力してこのような違法活動を検知したり阻止できるよう、税関職員の能力向上のお手伝いができることを喜んでいます。私たちは、必要な場所にさらなる支援を提供する準備ができています」と締めくくりました。

本ワークショップはITTO二ヶ年事業計画(2015年~2016年)の下で行われた活動で、違法伐採に対処し、参考資料やツールの助けを借りながら木材貿易を監視するために税関の能力育成強化を目指しました。また、日本と米国両政府の任意拠出により資金提供を受けています。

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