ITTO and BirdLife International extend collaboration to 2020

2016年3月7日

写真右から:覚書調印式での高円宮妃殿下(バードライフインターナショナル名誉総裁)、スティーブン・ジョンソン博士(ITTO事務局長代理)、およびパトリシア・ズリタ氏(バードライフ・インターナショナルCEO)。写真:R. Carrillo(ITTO事務局)

2016年3月7日(月)東京でバードライフ・インターナショナル名誉会長である高円宮妃殿下ご臨席の下、ITTOバードライフ・インターナショナルは新たな覚書に署名し、生物多様性保全と森林再生に向けた協力事業について再確認しました。前回(2012年~2015年)の覚書で実施した事業が成功を収めたことから、今後5年間の協力に関する今回の新たな覚書への合意に至りました。
 
今回の新規覚書の下で以下の事業を実施する予定です。
  • 森林再生共同事業、地域生活およびREDDプラスのための社会・環境セーフガードの改善、森林破壊を引き起こす要因に対処するためのベストプラクティスの開発と実施。
  • 森林破壊監視、森林劣化ならびに森林再生のための指標開発及びテスト。
  • 森林保全、森林再生と持続可能な森林経営に関する国民理解を進める方法として、教育活動を通じた意識改革活動の実施。
 
覚書ではまた、2016年9月のIUCN世界自然保護会議、2017年のバードライフ・インターナショナル世界会議への共同参加を明記。これらの会議への参加は、熱帯林保全についての意識を高め、熱帯林保全に向けて提唱することを目的としています。
 
調印式で高円宮妃殿下は、ITTOとバードライフ・インターナショナルの取り組みについて満足の意を表明され、生態系の健全性を確認する指標としての鳥類の重要性について述べられました。バードライフ・インターナショナルCEOのパトリシア・ズリタ氏は、覚書の更新を行うことはそれだけ両組織の意欲があり、これまでの成果からさらに積み上げていく必要性があることを示唆しています。また、ITTO事務局長代理のスティーブン・ジョンソン博士は鳥類と生物多様性保全には強い相関関係があることに言及し、ITTOがバードライフ・インターナショナルとのパートナーシップと世界規模のネットワークのおかげで今後も活動していくことが可能になると述べました。
 
これまでのITTOとバードライフ・インターナショナルで交わされた覚書の下で実施した主な活動には熱帯林と生物多様性の保全のための政策提言が挙げられます。具体的には以下の通りです。
  • 2015年12月にフランス、パリで開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)に参加し、両組織はREDDプラスとの関連においてガバナンスの中でコミュニティー林業の役割について強調しました。
  • 2015年9月に南アフリカ、ダーバンで行われた世界森林会議で森林が人々の生活と生態系に与える恩恵を最大限にするための、その地域に合わせた解決策について取り上げました。
  • 2012年10月にインドで行われた生物多様性条約第11回締約国会議(COP11)で、森林関連の愛知目標を達成するための共同アプローチが発表されました。
 
また、前回の覚書の下でバードライフ・インターナショナルはメキシコのフィールド事業で、熱帯劣化林と二次林の再生と管理、修復についてのITTOガイドライン(英語)を適用させました。今回の新たな覚書ではこうした活動のもとに両機関の使命を促進していくことが期待されます。[1]
 
[1] ITTOの使命は熱帯林資源の保全と持続可能な管理、利用、貿易を促進することです。バードライフ・インターナショナルの使命は、世界的に利用可能な最新かつ広範な情報をもとに鳥類の保全と、より広い範囲の生物多様性の指標として鳥類の利用を促進することです。