ITTOの理事会が15年ぶりにガボンで開催

2013年11月26日

M第49回国際熱帯木材理事会で開会の辞を述べるITTOのエマニュエル・ゼメッカ事務局長。となりは理事会議長のホセ・トリニダド・スアゾ氏(ホンジュラス)、ガボンの元首のレイモンド・ンドング ジマ首相、ガボンのガブリエル・チャンゴ森林水資源大臣及びコンゴのヘンリ・ジョンボ森林経済持続可能な発展大臣 (写真:R. Carrillo/ITTO)

国際熱帯木材機関の第49回理事会が11月25、ガボンのリーブルビルで開会しました。新協定が2011年12月に施行されて以来、本部以外の場所で行われた初めての会議です。

理事会はガボン政府の国家元首のレイモンド ンドングシマ首相による開会の挨拶で始まりました。首相は開会演説においてガボン政府の2025年に向けてのヴィジョンは、革新的な林産業に裏打ちされた認証熱帯木材(現在ガボンは約200万ヘクタールのFSC認証林を保有)と持続可能な森林経営による森林における世界のリーダーになることであると述べました。ンドングシマ首相はさらにガボンにおける初めてのコミュニティ森林の設立がITTOの支援によるものであることを評価しました。

開会式に出席した要人の一人であるガボンのガブリエル・チャンゴ森林水資源大臣も、アフリカの森林における持続可能な森林経営の推進及び持続可能な森林経営の基準の調整、森林利権監査における人材育成、丸太の加工に関する森林統計における能力開発などのプロジェクトに対するITTOの資金援助を評価しました。さらに、コンゴのヘンリ・ジョンボ森林経済及び持続可能な発展大臣は持続可能な発展の方法の一つとして「グリーン経済」を促進することの重要性を強調し、熱帯林の持続可能な経営に関するITTOの原則とガイドラインの改訂を支持すると表明しました。

ホセ・スアゾ・ブルネス議長は開会の挨拶で、コロンビアとブラジルがITTA2006に批准したこと及びコスタリカが新規メンバー国として加盟したことにより、ITTOの加盟国が過去最高の67か国に達したことを強調しました。

ブラジルのホルヘ・ヴィアナ上院議員はITTA2006がその目的の中で森林認証、合法、環境サービス及びコミュニティ森林などの重要な問題を取り上げており、これらのすべてがITTOを新しいレベルに導くと述べました。また、ITTOがブラジルにおいて衛星画像を使用して違法伐採の監視をするという貴重な援助を行い、その経験がフォンド・アマゾニアとITTOの資金援助により隣国にも広がっていることを評価しました。

エマニュエル・ゼメッカITTO事務局長は理事会の開会演説でITTOが行っている、アフリカ内での熱帯木材及び木材製品の推進、コンゴ盆地の保護森林地域の持続可能な経営及びコンゴ盆地関与国の森林関連指標の報告能力の強化に関する事業を重視しました。ゼメッカ氏はまた、劣化した森林地の復元に難民や移住した地元の住民を関与させることを目的としたコートジボワールのプロジェクトが資金援助されたことを強調し、日本政府の寛大さに感謝の辞を述べました。

理事会の初日の主な議題の一つは、ITTO-CITESプログラムを通して行われた事業についてでした。絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)のジョン・スキャンロン事務局長が野生動植物の保護に対するガボンの献身を認め、さらに、絶滅危惧種の持続可能性を保証する貿易の規制をするためにCITES附属書に木材種を加える加盟国による努力について報告しました。スキャンロン事務局長はITTO-CITESプログラムは機関間協力の優れた例であると称賛し、その後、アフリカチェリーPrunus Africanaに関する事業のビデオを紹介しました。

第49回理事会の主な議題は、ITTA2006の第14条に関連した事項(次期の事務局次長の選出)、天然熱帯林の持続可能な経営に関する原則とガイドラインの改訂、アフリカ地域オフィスの設立、ITTOの資金調達に関する戦略及びナレッジマネジメントに関する戦略でした。

理事会は国際熱帯木材機関(ITTO)の管理組織です。毎年一回年次会を行い、持続可能な森林経営及び持続可能な森林から生産された熱帯木材の貿易の促進を目的とした広範囲にわたる議題を討議します。

国際熱帯木材理事会(ITTC)は1998年5月にガボンで初めて開催されました。