メコンのチーク林がSDGsにもたらす貢献がワークショップで検証される

2019年10月2日, ヤンゴン(ミャンマー)

地域ワークショップ「大メコン圏におけるチーク林の保全と持続可能な経営および合法的かつ持続可能な木材サプライチェーンの強化」の参加者がモビ(ミャンマー)の設立7年の商業チークプランテーションを見学。写真撮影:ITTO

ヤンゴン(ミャンマー)で2019年9月24日から27日にかけて開催された地域ワークショップの参加者によると、メコン川流域でチーク(Tectona grandis)林を持続的に経営することで、若者の雇用が生まれ、小規模所有者に収入がもたらされ、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)達成の一助ともなるとのことです。

ITTOは地域ワークショップ「大メコン圏におけるチーク林の保全と持続可能な経営および合法的かつ持続可能な木材サプライチェーンの強化(Enhancing Conservation and Sustainable Management of Teak Forests and Legal and Sustainable Wood Supply Chains in the Greater Mekong Subregion)」をアジア森林協力機構(Asian Forest Cooperation Organization:AFoCo)とミャンマー森林局との協力で開催しました。本ワークショップではチーク林セクターの持続可能な開発に向けた6つの重要な提言がなされました。

ワークショップの開会式でイエ・ミン・スエ(Ye Myint Swe)ミャンマー天然資源・環境保全省次官は次のように述べました。チーク林の持続はミャンマーにとって非常に重要であり、ミャンマー政府は持続可能なチーク林経営と気候変動、森林の減少、生物多様性の減少に尽力しています。遺伝的資源の保全や持続可能な天然・人工のチーク林の経営を目標としたチーク関連プロジェクトに対するITTOの支援に感謝の意を表します。

フアン・オク・マITTOプロジェクトマネージャーは次のように発言しました。メコン川流域では15歳から24歳までの人口が増えており、チーク林セクターでの小規模所有者の収入や若者の雇用を創出する必要が高まっています。チーク材セクターの持続可能性にとってはチーク材とチーク製品の合法かつ持続可能なサプライチェーンを推進するための革新的なインセンティブのメカニズムが非常に重要です。メコン圏のインセンティブのメカニズムに関する近日発表予定のITTOの研究は、国内・海外両方の取引の合法性と持続可能性を確保するために有益な情報を提供します。
 
AFoCOのスン・ホ・チェ(Sung Ho Choi)氏は、AFoCO加盟国の間では、コミュニティ林業や森林の生態系の維持が優先課題となっています、と述べ、コミュニティ主体型の森林経営の推進におけるITTOとAFoCOのより緊密なパートナーシップに期待している旨を述べました。

ワークショップの開会式では、タイ・カセサート大学林学部のニクホム・レアムサック(Nikhom Leamsak)学部長およびラオス農林省国立農林研究所(National Agriculture and Forest Research Institute:NAFRI)のチャーンサモーン・フォンゴウドーメ(Chanhsamone Phongoudome)事務局次長もスピーチを行いました。

ワークショップの参加者はチークを中心とした森林セクターの持続可能な開発には次が求められるという点で一致しました:
  1. 種子生産地域や採種園の設置を通じたの遺伝的資源の生息域内・域外双方の保全の拡大。また、チーク植栽に適した良質の種子を供給するためのチーク改良に関する長期研究と開発プログラムや育種とバイオテクノロジーにつながりのあるチークの遺伝的資源の保全に関する共同研究も必要です。これには、メコン圏の国内規制に則った上での、個体群の遺伝的基礎の改良と遺伝的侵食の回避のためのプランテーションと遺伝子材料のための種子移動が含まれます。
  2. 適切な場所の選抜から間伐や収穫技術に至るまでのチークのプランテーションにおける育林面の改善。チークのプランテーションの持続可能な経営における知識と経験の共有が強く必要とされています。
  3. 高品質のチークの苗木の供給支援や小規模所有者へのサービス拡大およびキャパシティビルディング、ネットワーキング、パートナーシップの奨励による天然チーク林の経営と人工チークの造林における小規模所有者や若者や女性を含むコミュニティの参加の促進
  4. 付加価値のある製品開発、小規模プランテーションに対する適切なインセンティブのメカニズム、市場開拓方法の改善、資金調達や長期投資へのアクセス拡大を通じたり、有効な政策や法執行を確実にし地域間のチーク取引を増やすためのチークの需給や持続可能なチーク産業に関する国際的な調査の実施によるチーク材およびチーク材製品のバリューチェーンの促進
  5. 合法かつ持続可能なチークのサプライチェーンを促進するためのインセンティブのメカニズムの構築やサプライチェーン下流への投資拡大、市場開拓の改善、チーク貿易の拡大を目的とした地域協力の強化による持続可能なチーク材およびチーク製品の供給と消費の強化
  6. 気候変動やSDGs、特に目標15「陸の豊かさも守ろう」、目標12「つくる責任つかう責任」、目標8「働きがいも経済成長も」、において持続可能なチーク林およびチーク製品による寄与を促すため、2020年8月にアクラ(ガーナ)で開催予定の第4回世界チーク会議(World Teak Conference)における国際規模の持続可能なチーク戦略および推奨行動の策定の奨励および国際協力、パートナーシップやネットワーキングの拡大。