コンゴ川流域では森林技術者が不足している

2019年9月24日, 横浜

TICAD7 で ITTO が実施したサイドイベントで発表を行うクロード・カチャカ・スディ・中央アフリカ森林環境トレーニング機構ネットワーク(Network of Central African Forestry and Environmental Training Institutions:RIFFEAC)地域コーディネーター 写真撮影:K. Sato/ITTO

クロード・カチャカ・スディ・中央アフリカ森林環境トレーニング機構ネットワーク(Network of Central African Forestry and Environmental Training Institutions:RIFFEAC)地域コーディネーターによると、消費者市場では木材の合法性証明がますます求められていますが、コンゴ川流域諸国では持続可能性と合法性対策を実行できる適格な人材が不足しているとのことです。

スディ氏のこの発言は先8月、横浜で開催されたTICAD7でITTOが実施したサイドイベントでのスピーチの中で行われたものです。2019年8月28日に行われた本サイドイベントは、日本国外務省、横浜市および神奈川県の後援によりITTO、林野庁および国際協力機構(JICA)が共同開催しました。

スディ氏は参加者に対し、輸入市場で木材の合法性証明が要求されることで、コンゴ川諸国での持続可能な森林経営(sustainable forest management:SFM)に関する教育や研修に求められるものが非常に多くなった、と述べました。コンゴ川流域の多くの木材生産業者では、立木から消費国の市場に出回るまでの木材の合法かつ持続可能なサプライチェーンの要件と複雑さに対処できる適格な人材が不足しているのが現状です。

スディ氏は次のように述べました。森林インベントリや森林計画の策定、SFMの実施、森林での作業、生産、検証、認証、木材追跡、木材加工、輸送と市場開拓といった課題に関する教育と研修の強化が必要です。このような分野における人材開発は、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)、特に目標4(質の高い教育をみんなに)、8(働きがいも経済成長も)、9(産業と技術革新の基礎をつくろう)、13(気候変動に具体的な対策を)、および15(陸の豊かさも守ろう)の達成にもつながるでしょう。

スディ氏はJICA、ベルギー、スイスの資金供与によりITTOが実施した「コンゴ盆地における持続可能な熱帯雨林経営と生物多様性保全のための能力強化計画(Building capacities of RIFFEAC’s forestry training institutions in the Congo Basin)」プロジェクトに言及しました。本プロジェクトはSFM実施を担う熟練した林業管理職の訓練を目的としてコンゴ川流域5カ国にある7か所の森林・環境従事者育成機関に対しSFMに関する研修プログラムを策定し、施設・機材・資材の整備を行いました。

日本語のプロジェクトの情報は外務省ウェブサイトでご覧になれます。

ビデオ(フランス語)を視聴する

スディ氏の発表「コンゴ川流域諸国における持続可能な森林経営グッドプラクティスのトレーニングにおける課題(合法で持続可能なサプライチェーンに関するもの)」の資料(英語)をダウンロードする(下記)