ディアリオ・デ・ユカタン紙、メキシコのITTOプロジェクトを紹介
2025年3月14日, 横浜
Paula SARIGUMBA
熱帯林資源の持続可能な利用と先住民族の知識の保護を通じて、メキシコのユカタン半島にある4つの農村コミュニティの経済を強化するITTOプロジェクトが、現地の主要なメディアに取り上げられました。
メキシコの地方日刊紙「ディアリオ・デ・ユカタン(Diario de Yucatán)」は2月に、数々の写真と同地域のエコツーリズムを促進するビデオへのリンクとともに、ITTOプロジェクトに関する記事を掲載しました。
「マヤ・トレイン・プロジェクトにおける生物多様性の持続可能な利用を通じた、ユカタン半島の熱帯林におけるマヤ先住民族コミュニティのレジリエンス強化」と題された同プロジェクトは、メキシコ国立自治大学(UNAM)の国立高等教育学校のメリダに拠点を置くユニット(ENES-Merida)のチームによって実施されました。
プロジェクトは2024年に始まり、今年末に成果を報告する予定で、メキシコ国家森林委員会(CONAFOR)などと連携して実施されており、日本政府の財政支援を受けています。
記事は、研究者、学生、地域住民が協力して、ユカタン州、カンペチェ州、キンタナ・ロー州の5つの農村地域を対象に、持続可能な経済活動を推進しながら、熱帯林や湿地帯、海岸砂丘などの生態系が提供する環境サービスを研究している様子を紹介しています。これらのコミュニティは、いずれもメリダ、カンペチェ、カンクン、チェトゥマルといった大都市の近郊に位置しています。.
この記事では、研究者が仕事を始める前にまず地元当局に相談するという、地元コミュニティとの関わり合いのプロセスを強調しています。元ITTOフェローシップ授与者で、ENESメリダの研究者であるアディ・ラソス・ルイーズ博士は、プロジェクトは好評であり、研究者と住民の協力により、目的を共有する意識が育まれていると同紙に語っています。
ラソス・ルイーズ博士によると、プロジェクトは地域の環境を研究するだけでなく、持続可能な資源管理に依存するコミュニティ・ビジネスを支援し、長期的な成功を確実にするための研修やビジネス戦略開発を提供しているとのことです。
同紙は、環境科学、異文化間開発と管理、応用地理学、持続可能な沿岸管理などのさまざまな分野の学生が、調査やドローンを使った環境マッピング、メリポニカルチャー(マヤのアシナガバチ、ハリナシミツバチ(Melipona beecheii)の繁殖)などの伝統的知識の記録など、実践的な経験を積んでいることにも触れています。
ラソス・ルイーズ博士は、書籍、図解ガイド、インタラクティブなデジタル地図、視聴覚資料、スペイン語、マヤ語、英語による普及啓発キャンペーンといった研究成果は、2025年後半に利用可能となり、伝統的知識の保存と普及に貢献するとともに、持続可能な環境実践の重要性に対する意識を高めるだろうと同紙に語りました。
「本プロジェクトは、ITTOプロジェクトがいかに幅広い利害関係者間の協力を促進し、その結果、現地の知識に対しそれにふさわしい価値を認めるとともに、熱帯地方における持続可能な森林経営の実践に対する認識を高めることができるかを示す、称賛に値する例と言えます」とシャーム・サックルITTO事務局長は語りました。「プロジェクトチームを祝福するとともに、貴重な成果を楽しみにしています。」