持続可能性と合法性は両立可能、ITTOがAPECの違法伐採専門家に伝える

2025年2月28日, 慶州

Tetra YANUARIADI

第27回APEC EGILAT会議のために慶州に集まった違法伐採とその関連貿易の専門家たち。写真:APEC事務局

ITTOは、違法伐採に関する専門家の集まりで、持続可能な森林経営(SFM)の推進と熱帯林における違法伐採対策は、ITTOによる合法的かつ持続可能なサプライチェーンの推進において示されたように、密接に関わり合っていると述べました。

テトラ・ヤヌアリアディ プロジェクト・マネージャーは、2025年2月26日から28日まで韓国の慶州で開催されたAPEC違法伐採と関連する貿易専門家グループ会合(Asia-Pacific Economic Cooperation Experts Group on Illegal Logging and Associated Trade:APEC EGILAT)の第27回総会において、合法的で持続可能なサプライチェーン(Legal and Sustainable Supply Chains: LSSC)に関するITTOのプログラムラインの進捗状況を発表しました。

ITTOのプログラムラインは、森林の合法性と持続可能性についての理解と認識を深めることをベースに実施される、とヤヌアリアディ博士は述べました。それらの要件を満たすことで、熱帯林資源の管理における違法行為がもたらす悪影響に対抗することができます。持続可能性の重要な要素は合法性の遵守であり、木材生産者は自社製品の合法性を証明しなければならないという要求の高まりに直面している、とヤヌアリアディ博士は指摘しました。

EGILAT議長であり、マレーシア木材審議会の最高経営責任者であるノライハン・アブドゥル・ラーマン氏は、森林からの経済的利益と保全のバランスをとることは、特に都市化や食糧不安などの圧力がある中では難しいと述べました。

しかし、違法伐採や違法貿易に取り組まなければ、貿易の発展と環境保護の間に持続可能で公正なバランスを構築することは不可能である、と同氏はAPEC EGILATのエコノミーの代表団に語りました。

ヤヌアリアディ博士はまた、会合で、ベトナム、タイ、インドネシアで実施されているプロジェクトを通じて、加盟国の国内市場で持続可能な方法で生産された熱帯木材の使用を支援するITTOの取組についての最新情報を提供しました。.

第27回APEC EGILAT総会でITTOのプロジェクトを紹介するテトラ・ヤヌアリアディ博士。写真:APEC Secretariat

プロジェクトは、木材生産と木材製品貿易に関する国家戦略・政策の強化、生産能力の向上、地域の林業関連企業の能力構築、木材製品の多様化、木材製品の利点に関する消費者の意識向上といった内容を含み、1つ(ベトナム)は完了し、残り2つは近々完了する予定です。

ヤヌアリアディ博士によると、3つのプロジェクトはいずれも日本政府から資金援助を受けており、目標に沿った成果を上げています。

博士はまた、ITTOがミャンマーとの国境に近いタイで、不正取引、森林減少、森林劣化、食料安全保障の喪失に取り組むプロジェクト(英語)の実施を開始したことにも言及しました。

ミャンマーにおける2021年のクーデターの余波により、数千人がタイの国境地帯、特にターク県とメーホンソン県に移動しました。この流入により、森林伐採が深刻化、大規模化し、その結果、不正取引が急増するとともに、この地域の脆弱なコミュニティーの食料安全保障と生計が脅かされています。

このプロジェクトで見込まれる成果としては、衛星とドローンのデータを使って森林の減少と劣化を監視するための、地元当局とコミュニティを支援する強固な監視システムと、コミュニティの森林保護と持続可能な生計開発に関する地元当局、コミュニティ・グループ、若者の能力強化が挙げられます。

「ITTOのミッションを達成するのは大変なことであると承知していますし、私たちだけではできないことも承知しています。」とシャーム・サックルITTO事務局長は述べました。「ITTOは、持続可能な森林経営と、木材貿易の持続可能性と合法性の両方を達成するという目標に向けて、APECをはじめとする多くの組織との連携と協力にコミットし、積極的に取り組んでいます。」