「持続可能な開発の時代」に、林業において緑の雇用を創出する新しいトレーニングとビジネスモデル

2024年6月27日

緑の雇用を創出し、持続可能な開発を進めるためには、新しい考え方が重要である。写真:F. Soriano

2024年6月27日、スウェーデン、ストックホルム: 緑の雇用を創出し、持続可能な開発を進める熱帯林業の可能性を現実のものとするためには、ビジネスと教育における新しい考え方が重要、とITTOは国際森林研究機関連合(IUFRO)の2024年世界大会で述べました。

ITTOは、今週スウェーデンのストックホルムで開催されている会議IUFRO世界大会4日目のグリーンジョブ・アリーナ部門で、持続可能な林業における緑の雇用の展望と資質について発表し、未来の労働力の確保に関するパネルディスカッションに参加しました。

ITTOはプレゼンテーションで、社会的、経済的、環境的な持続可能性が多くの分野で「新しい規範」となっていることを説明しました。持続可能なかたちで経営された熱帯林ももれなく、貧困の撲滅から気候変動対策に至るまでの持続可能な開発目標に取り組むための、自然ベースの解決策を代表するものと言えます。

従来の教育や研修は、統合的なランドスケープ・アプローチ、参加型森林経営、新技術、気候変動や生物多様性保護の必要性など、ますます複雑化する持続可能な林業開発のニーズに応えるには、もはや不十分です。

こうした課題は、しかしながら、新たなスキルの獲得に前向きな人や、デジタル化、商品開発(エコツーリズムのような従来とは異なる提案も含む)、新しい先端技術、マーケティングなどの分野で新しいモデルやイノベーションを採用する林業事業にとっては、チャンスでもあります。

「私たちは持続可能な開発の時代を生きています」と、プレゼンテーションを行ったラモン・カリーオ ITTO広報担当オフィサーは参加者らに語りかけました。

ITTOは、加盟国の技術や能力を向上させる能力開発プログラムやフィールドプロジェクトだけでなく、林業における若手専門家の育成を支援するフェローシップ・プログラムも実施しています。

1989年に設立された同プログラムは、これまで、49カ国から1,400人以上が参加し、彼らが持続可能な熱帯林経営、熱帯木材の効率的な利用と加工、国際熱帯木材貿易に関する経済情報の改善などの分野で知識を深める手助けをしてきました。プログラムへの主要なドナーは、日本、アメリカ、オランダ、オーストラリアの各政府です。

同セッションでは他に、林業・木工労働者を代表するスウェーデンの労働組合GS、森林管理協議会(Forest Stewardship Council: FSC)、国際労働機関(ILO)、カナダのレイクヘッド大学の代表らが講演を行いました。

パネリストには、フォレストヨーロッパのヴェラ・スタインバーグ氏、ILOのワァルッテリ・カタヤマキ氏、ケニアのジェーン・ジュワナ氏、気候変動枠組条約(UNFCCC)のアマリー・ホルメフィヨルド氏、IUFROのピピエット・ララサティ氏が名を連ねました。

また、大会4日目には、ITTOコンサルタントのマ・ファンオク氏が、フィジーで実施されたプロジェクトの成果に関するアブストラクトを発表しました。このプロジェクトは、第2フェーズが始まったばかりです。