受注増、木材市場の回復に明るい兆し

2024年4月16日

タイのパレット製造。写真:Nonthaphat Saetan/ITTO

2024年4月16日:本日発表された世界木材指標(Global Timber Index:GTI)レポートの最新版では、木材市場は2024年1、2月に世界的に低迷したものの、3月には一部の国でプラスに転じ、パイロット国の大半で受注が増加したとの報告が行われています。ITTOが支援するGTIは、パイロット国8カ国の木材セクターを追跡調査しています。

ブラジル(54.4%)、中国(66.8%)、タイ(54.8%)のGTI値は、3月にいずれも基準値の50%を上回り(それぞれ39.6%、31.7%、45.6%から上昇)、木材セクターの上昇傾向を示しています。ブラジルのGTIは、特に海外からの受注が大幅に増加し、17ヵ月ぶりに基準値を超えました。中国では、GTIが顕著な上昇を記録しましたが、これは主に長期休暇があった2月の低水準からの伸びによるものであり、3月に生産と取引が全面的に再開されたため、GTI値は大幅に伸びています。タイでは、伐採、生産、受注のすべてが3 月に大幅な伸びを示しました。

コンゴ共和国(GTI=44.1%)、ガボン(31.9%)、インドネシア(37.1%)、マレーシア(25.7%)、メキシコ(40.3%)では、3月の木材市場は比較的低迷したままでした。しかしながら、生産と貿易においては、明るい兆しが見られました。例えば、GTIの受注に関するサブインデックス(輸出受注を含む)はインドネシアとマレーシアで3月に上昇し、コンゴの輸出受注に関するサブインデックスとメキシコの収穫に関するサブインデックスも上昇しました。

市場の低迷にかなりの期間耐えてきたGTI参加企業が、コスト削減と効率性向上のためのより効果的な対策を求めるのは理解できることでしょう。インドネシアの企業は、国内木材製品市場の発展を促進し、森林を持続的に経営する企業にインセンティブを与えるための政府の介入に期待を表明しました。マレーシアの企業は、政府が建設セクターに製材の使用を増やすよう奨励することを提案しました。タイの企業は、木材製品の価値に対する人々の意識を高め、天然木の使用を奨励したいと考えています。ガボンとメキシコの企業は、木材製品の販売を促進するため、潜在的な海外顧客とのコミュニケーションを強化したいと考えています。コンゴの企業は、政府が同国の新しい森林法の施行に向けた詳細な規則の策定を進めることを望んでいます。ブラジル企業は輸出通関の効率化を求めています。

GTIマンスリーレポートは、www.itto.int/ja/gti から無料で入手できます。
最新のGTIレポート(英語)はこちらからダウンロードできます。