持続可能な林業に関する目標を推進するITTOの豊富な現場に基づく専門知識、COP28イベントで語る

2023年12月9日

コンゴ盆地森林パートナーシップ(CBFP)関係者対談で講演するシャーム・サックルITTO事務局長。写真:S. Kawaguchi/ITTO

2023年12月9日、アラブ首長国連邦、ドバイ: ITTOが30年以上にわたって実施してきた約1200のフィールドプロジェクトによる経験と専門知識は、世界の熱帯林の保全と持続可能な利用を前進させています。ITTOの活動から得られた教訓は、コンゴ盆地の森林だけでなく、残された原生林の保全と経営にも恩恵をもたらすでしょう。

このメッセージは、12月8日に、アラブ首長国連邦のドバイで開催されていた国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)のサイドイベントの2つで発表されたものです。

サイドイベント「気候と林冠: 原生林の保全を通じて拡大するSDG13 と15のための取り組み(Climate and Canopy Amplifying Action for SDG 13 & 15 through Primary Forest Conservation)」で、ITTOは、2023年11月にタイのパタヤで開催された国際熱帯木材理事会第59回会合において、ITTOと国連森林フォーラム(UN Forum on Forests: UNFF)が覚書に署名したことを紹介しました。同覚書は、UNFFとITTO加盟国が熱帯林の回復、維持、持続可能な経営を行い、木材、非木材林産物、生態系サービスの持続可能な生産を促進するための支援を行うとともに、世界森林目標の達成を支援するための共同行動を特定、開発、実施することを目的としています。

ITTOはまた、36年前に活動を開始して以来、熱帯各地で実施されてきたフィールドプロジェクトによって得られた豊富な知識と経験を強調しました。これらのフィールドプロジェクトでは、熱帯森林資源の保全、回復、持続可能な管理、利用、取引を促進しています。ITTOの能力は、残存する熱帯原生林の持続可能な利用と保全を促進するための貴重なリソースと言えます。

国際連合食糧農業機関( Food and Agriculture Organization of the United Nations: FAO)、地球環境ファシリティー(Global Environment Facility: GEF)、国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature: IUCN)、UNFFが共同で開催したこのサイドイベントの目的は、原生林の重要性に対する理解と認識を深め、その保全を支持し、持続可能な開発目標13(気候変動に具体的な対策を)と15(陸の豊かさも守ろう)への貢献を最大化するために、具体的なネクスト・ステップを探ることでした。

その後、もう1つのサイドイベントである、コンゴ盆地森林パートナーシップ(Congo Basin Forest Partnership: CBFP)の関係者対談「中部アフリカの森林、世界的に重要な生物多様性と炭素埋蔵量:国内および国際的な動員への大きな挑戦」で、シャーム・サックルITTO事務局長は、ITTOのコンゴ盆地諸国との長年のパートナーシップと、この地域でのフィールドプロジェクトが中部アフリカ森林協議会(COMIFAC)の目標をどのように支援してきたかを強調して語りました。ITTOは、中部アフリカの森林に対するCOMIFAC加盟国のコミットメント宣言と衡平な資金調達のための呼びかけを支援する共同プロジェクトを実施するため、中部アフリカ森林イニシアチブ(Central African Forest Initiative: CAFI)と緑の気候基金(Green Climate Fund)との協力を強化する用意があると述べました。

ITTOは12月8日と9日に、COP28でブースを出展します。

サイドイベント 「気候と林冠: 原生林の保全を通じて拡大するSDG13 と15のための取り組み」での集合写真。写真:S. Kawaguchi/ITTO

 

COP28のITTOブース。写真:S. Kawaguchi/ITTO