ITTOと国連森林フォーラム、熱帯林に関する協力を強化

ITTOと国連森林フォーラム、熱帯林に関する協力を強化

第59回国際熱帯木材理事会の3日目、両組織間の覚書に署名するシャーム・サックルITTO事務局長（左）とジュリエット・ビャオ・コウデヌークポ国連森林フォーラム事務局長。写真：Nonthaphat Saetan/ITTO

2023年11月15日、タイ、パタヤ：ITTOと国連森林フォーラム（UNFF）の事務局は、シャーム・サックルITTO事務局長とジュリエット・ビャオ・コウデヌークポ国連森林フォーラム事務局長が本日署名した覚書に基づき、熱帯諸国とステークホルダーの森林保全、回復、持続可能な経営を支援するため、より緊密に協力していきます。

この共同イニシアティブのための覚書は、11月13日に開幕した第59回国際熱帯木材理事会の副次的な活動の中で調印され、ビャオ博士によって理事会の本会議で発表されました。

この共同イニシアティブの包括的な目的は、UNFFとITTOの加盟国が熱帯林の回復、維持、持続可能な経営を行い、木材、非木材林産物、生態系サービスの持続可能な生産を促進するよう支援することです。両機関は、6つの世界森林目標の達成とITTO生産加盟国の持続可能な開発を支援し、ITTO生産加盟国の能力開発を促進し、他のパートナーとの協力を強化し、熱帯地域の森林被覆率を増加するための共同アクションを見出し、開発し、実施します。

サックル事務局長は、この共同イニシアティブはITTOとUNFFの相互補完性を有効活用する機会であると述べました。

「ITTOとUNFFの事務局は、熱帯諸国と、持続可能な開発の一環として森林を利用し保全しようとする彼らの努力を強力に支援しています。」とサックル事務局長は述べました。「私たちは補完的な使命とアプローチを持っており、インパクトを拡大するためにも、相互に関心がある分野で力を合わせていくことは理にかなっています。」

ビャオ博士は「この覚書は時宜を得たものであり、ITTO加盟国であり同時により広範なUNFFの加盟国でもある国々による、国連森林戦略計画2017-2030と世界森林目標の実施、およびその他の森林関連の世界的な課題への貢献を強化する可能性を秘めています。」と語りました。

第59回国際熱帯木材理事会3日目における他の活動は以下の通りです。

財務・管理委員会、経済・市場情報委員会（Economic Information and Market Intelligence: EIMI）、森林再生・森林経営委員会が会合を開き、議題について話し合いました。中でもEIMIは、ホンジュラスにおける利用度の低い種に関するプロジェクト、ガーナにおける森林ガバナンス、モニタリング、コミュニティ開発における森林コミュニティの能力強化、モザンビークにおける森林ガバナンスの改善の3つのプロジェクトを、正式に完了させました。
理事会の副議長にアン・タイラー氏が指名されました。タイラー氏は指名を受け、「今後も皆さんと一緒に働けることを楽しみにしており、理事会の活動を進展させるために全力を尽くします。」と語りました。
タイラー氏は副議長として、ITTOフェローシップ・パネルの報告を行いました。タイラー副議長によると、2023年には合計97名の申請者が審査を受け、そのうち16名（女性5名）に授与資格が認められました。同パネルは、理事会が16名の申請者に総額107,000米ドルのフェローシップを授与するよう勧告しました。タイラー副議長は、申請者の資格レベルが低かった主な理由は、分担金を滞納している加盟国の国民であったことだと述べました。米国の代表は、生産国に対し、自国の林業における将来のリーダーがITTOフェローシップ・プログラムが提供する機会を引き続き利用できるよう、分担金の支払いを続けるよう奨励しました。
ITTO事務局は、2021-2022年（2023年まで延長）のITTO二カ年事業計画の実施に関する進捗報告書と、2024-2025年のITTO二カ年事業計画草案に関する報告書を提出しました。
他機関との協力・調整に関する議題項目で、シャーム・サックルITTO事務局長は、前回の理事会以降、事務局が国際機関や他の組織と協力して行ってきた活動について報告しました。この議題項目の一環として、UNFF事務局長のビャオ博士、国際連合食糧農業機関（FAO）シニア・フォレスト・オフィサーのシェイラ・ウェルツ-カノニコフ氏、生物の多様性に関する条約：Convention on Biological Diversity（CBD）事務局のジャマル・アマギリジョバ氏（ビデオ）が理事会で発言しました：

ビャオ博士は、昨年のUNFFの活動に対するITTO事務局の貢献に感謝を表しました。
ウェルツ‐カノニコフ氏は、FAO が実施機関である「GEF8 インド・マラヤ危機的森林バイオーム統合プログラム」について発表し、ITTO が潜在的な技術パートナーであることを示しました。
アマギリジョバ氏は、昆明-モントリオール世界生物多様性フレームワークと、ITTO と CBD事務局が既存の覚書の下で実施している協力の様子について発表しました。

国際熱帯木材理事会は、熱帯林の持続可能な経営と持続可能な方法で生産された熱帯木材の貿易を促進することを目的とした幅広い議題について議論するため、少なくとも年に1度は開催されています。

IISDのレポーティング・サービスによる日々の報道は、以下をご覧ください：https://enb.iisd.org/ittc59-international-tropical-timber-council