市民社会諮問グループ、木材貿易のための要件がもたらす小規模農業従事者の課題について議論

2023年11月30日

カンボジアのITTOプロジェクトで実施された森林ガバナンスに関するコミュニティ・ワークショップ。写真:H.C. Thang

2023年11月30日:国際熱帯木材理事会第59回会合の「貿易と市場の日(Trade and Markets Day)」の一環として、ITTOの市民社会諮問グループ(Civil Society Advisory Group: CSAG)が開催したイベントでは、森林破壊と森林劣化のないサプライチェーンに関するEUの新しい規制をはじめとする貿易措置に際し、小規模農業従事者とコミュニティ林業が直面する課題が焦点となりました。

TRAFFIC(トラフィック)のチェン・ヒン・キョン氏がイベントの最後に発表した声明(英語)で、CSAGは、厳格なトレーサビリティや適切な文書化の要件など、中小規模の森林企業やコミュニティ林業が直面する「特有の課題と問題」を強調しました。例えば、持続可能な伐採に関する技術や意識の低さ、さらに追加的なコストなどが挙げられ、それらの多くの課題の中でも特に「地元の管理レベルや透明性の低さに影響され、腐敗や違法性のリスクを高めると同時に、コミュニティがそのプロセスや利益から疎外されている」ことを指摘しました。

CSAGの声明では、先住民族と地域コミュニティの権利は多くの領域で不明確であり、「公正かつ公平な議論と交渉の妨げとなっている。」と述べられています。さらに、「女性の参加は、正式な事業の意思決定レベルにおいてはほとんどなく、資金調達へのアクセスは実際のニーズから相当かけ離れている。」とも指摘されています。チェン氏はCSAGの声明の最後に、理事会メンバーに対し、会合に出席している先住民族、地域コミュニティ、女性グループの代表と緊密に関わるよう促しました。

「貿易と市場の日」の要旨はこちらを、CSAGイベント中のプレゼンテーションをご覧になるにはこちらをクリックしてください。

第59回国際熱帯木材理事会会期中に開催された「貿易と市場の日」における市民社会諮問グループのセッション。写真:Nonthaphat Saetan/ITTO