ITTOのプロジェクトがインドネシアとペルーでの森林火災管理を支援

2020年9月15日, 横浜

インドネシア・西カリマンタン州ケタパンにて、 Manggala Agni消防隊の隊員が火災発生現場へ向かっている。写真撮影:インドネシア環境林業省(Ministry of Environment and Forestry)気候変動総局(Directorate General of Climate Change)

ボルネオ島、アマゾン地域や各地で最近起こった壊滅的な火災が示すように、熱帯地域での火災管理の改善が徐々に喫緊の課題となっています。ITTOは長期に渡って加盟国を支援してきましたが、その取組の一環として、統合型火災管理アプローチを通じた森林火災の脅威への対処を目的とするインドネシアとペルーでの2件の新規プロジェクトに対する資金協力を発表しました。

日照り続きの状況や熱波によって深刻化する火の乱用は、ボルネオ島やアマゾン地域では森林の減少と劣化を招いた大きな原因となっています。森林火災の発生を減らすには、火災の効果的な予防と管理および迅速な消防応答の仕組みが求められます。2 件の新規プロジェクト[1]は統合型・参加型アプローチを採用し、火災の予防と管理におけるキャパシティビルディングおよび早期警戒システムの改善支援を行います。両プロジェクトに対しては、日本国政府による熱帯地域における効果的な森林火災管理を目的とした国際緊急援助として2.2 百万ドルが供与される予定です。

本プロジェクトは森林火災に特に脆弱であるインドネシアの南スマトラ州、中部カリマンタン州、南カリマンタン州、ペルーのカハマルカ州、ワヌコ州、フニン州、パスコ州、ウカヤリ州を対象としています。期待される成果として次があげられます:森林火災とこれに関係のある森林減少の削減、農業と林業の方式の改善、火災の防止・管理および早期警戒に関する手順の改善、消化能力の向上、効率的な早期警戒・火災モニタリングシステムの設置、森林火災対処と防止における利害関係者間の有効な調整と協働、火災管理に関する啓発。

本プロジェクトは、地域住民、先住民族、農業従事者、消防隊、森林企業、NGO、地方・中央政府機関といった多くの人々に裨益することが期待されています。その他、温室効果ガス排出量の削減や生物多様性保全の改善も期待されています。

本プロジェクトは、これまでにITTOが実施した火災関連のプロジェクトの成果を踏まえ、1997年に刊行された熱帯森林の火災管理についてのITTOガイドライン(英語、フランス語、スペイン語にて閲覧可能)に基づいて実施されます。長年、統合型森林火災管理の発展に向けたITTOの協力では、防火、火災の事前抑制措置(例:気象および火災の危険性に関する情報、早期警戒および報告システム)、研修・普及・啓発において地域住民の参加を取り入れてきました。

プロジェクトの実施機関は、インドネシアでは環境林業省の森林・陸上火災管理局(Directorate of Forest and Land Fire Management in the Ministry of Environment and Forestry)、ペルーでは国家森林・野生動物局(National Forest and Wildlife Service (Servicio Nacional Forestal y de Fauna Silvestre)です。両プロジェクトへの資金協力は、2019年12月にトーゴで開催された第55回国際熱帯木材理事会(55th Session of the International Tropical Timber Council)にて発表されていた熱帯地域における森林火災管理への一層の寄与に対する日本国政府の意思を実現するものです。

下から2件のプロジェクトに関する文書(英語)をダウンロード可能です


[1]本記事にて言及しているプロジェクトは次の通り:PP-A/56-340-1:インドネシアにおける森林・土地火災の管理に関するキャパシティビルディング(原題:“Capacity building on forest and land fire management in Indonesia”)および  PP-A/56-340-2:ペルーの熱帯林および森林プランテーションにおける森林火災予防・対応 (原題:“Forest fire prevention and response in tropical forests and forest plantations in Peru”)。前者は、ITTOの二カ年事業計画(biennial work programme)下の正式活動であり、後者はITTOプロジェクトサイクルを通じて提案書が提出・承認されていたプロジェクトに修正を加えたプロジェクトである点に留意されたい。