“協力的な”理事会が閉幕、新プロジェクトを承認
2022年11月11日、横浜:第58回国際熱帯木材理事会が本日閉会し、ジェシー・マホーニー議長は「私が知る限り最も協力的な会合の1つ」と評しました。理事会は4つの決議を行いました。決議の1つは6件のプロジェクト提案書を承認し、そのうちの3件は全額資金提供の対象となり、早急な実施が可能になりました。
その他の決議は、二カ年事業計画2021-2022を1年延長してITTO一般管理予算の隔年承認サイクルに合わせること、一般管理予算の管理に関して、次の会期までの間に行われるオンライン上の作業グループの権限を1年延長すること、および、2006年国際熱帯木材協定(ITTA 2006)の再交渉やさらなる延長の必要性を検討するために設立した別の作業グループを延長することに関するものでした。4つの決議は、2022年12月にITTOのウェブサイトで公開される予定です。
今回の会合の他の重要な成果としては、ITTOの活動に対する2022年の新たな資金計約400万米ドルの拠出、13人へのフェローシップ授与、排出量取引と熱帯林に取り組む年次市場ディスカッションの成功が挙げられます。
市民社会諮問グループ(CSAG)を代表するクリスティーン・ウーランダーリ氏は、声明の中で、年次市場ディスカッション(現在は貿易諮問グループが主催)を含む審議にCSAGをもっと参加させるよう、理事会に働きかけました。
「私たちCSAG は専門性と知識を提供することで、知識の共有と、そのようなプラットフォームからの理事会への勧告をより一層行うことができます。」と、ウーランダーリ氏は述べました。
また同氏は、CSAGが資金調達イニシアチブのパイロット実施にITTOのパートナーとして参加することを希望していると表明しました。
「CSAGのネットワークには、女性、地域コミュニティ、先住民族グループが参加しています。彼らは森林の所有権、アクセス、権利の問題に直面しており、合法的で持続可能な木材製品の国際市場への参入を望んでいます。」とウーランダーリ氏は述べました。
「地域社会、小規模保有者、その他の森林コミュニティも、持続可能な林業経営と木材製品の持続可能な取引というITTOの目的を確保する上で、大きなインパクトを与えることができます。」
CSAGはまた、ITTO加盟国やその他のステークホルダーが気候変動への適応と緩和に向けてどのように貢献できるかを概説したペーパーの作成をITTOに委託するよう提言しました。
「林業サプライチェーンと森林資源の持続可能な利用と経営を促進する最善の方法に関する私たちの共同作業は、自然界の力を利用して温室効果ガスの排出を削減し、地域社会が気候変動の影響に適応するのを助け、自然に基づく解決策を開発する国際社会を支援するために相応しいものです。」とウーランダーリ氏は述べました。
CSAGアフリカのフォーカルポイントであり、ワンガリ・マータイ森林チャンピオンアワードの受賞者であるカメルーンのセシル・ンジェベト氏は、録画したビデオで短い声明を発表し、アフリカの林業の女性の地位向上と自身の同賞の受賞におけるITTOの重要な役割を評価しました。
理事会の閉会宣言で、代表者らはセッションの根底を支えた精神を賞賛しました。マレーシアの代表は決議のすべてが「友好的かつ誠意あるかたちで」行われたとコメントし、欧州委員会の代表は理事会が「強固な組織を構築するために前進している」と結論づけました。また、シャーム・サックル事務局長は「新しいエネルギー」をもたらしたと賞賛され、理事会開催と組織に対する寛大な支援についての謝意が日本政府と横浜市に向けて表されました。
閉会にあたり、マホーニー氏は会合の成果を高く評価しました。同時に「私たちは、国連の日々の活動や、重要な熱帯林の保全と持続可能な利用のための重要な活動を支援するため、道を切り拓き続けなければなりません。」と警鐘を鳴らしました。
第59回国際熱帯木材理事会は、現在暫定的に、2023年12月4日から8日にかけて開催される予定となっています。タイ政府は王立森林局を通じて、次回の理事会の主催を検討しています。