熱帯林のための新基金860万USドル

2008年11月8日

熱帯林のための新基金860万USドル

カタリーナ クーメイヤー議長に謝意を表するゼ メカ氏
写真:佐藤(ITTO)

新しいテーマのプログラムが追加基金を獲得しました;11の新プロジェクトが開始されます;行動計画が了承されました。

2008年11月、日本、横浜:国際熱帯木材理事会は、熱帯における森林破壊と森林劣化軽減を目指す新プログラムに対して、350万USドルの基金を本日発表しました。また熱帯森林資源の保護、継続的な管理、使用、貿易のための新プロジェクトと行動への510万USドルの追加基金もあわせて発表しました。

理事会は国際熱帯木材機関(ITTO)の管理機関です。少なくとも1年に1回、会合を開き、持続可能な熱帯林経営と継続的に生産された熱帯木材貿易の推進を目的とした広範囲な議題に関して討論をしています。今週、44回会合で約束された基金は、ガーナのアクラでの6月ミーティングで発表された上半期の310万USドルに加えて、2008年には合計1,170万USドルにのぼります。

理事会はまたこの会合で2008年‐2011年のITTO行動計画を採択し、いくつかのテーマの試験的プログラム(2006年のITTAで要求されたもの)を設立することを決定しました。森林法施行、管理と貿易プログラム;地域の森林経営と企業;貿易と市場の透明性;工業の発展と効率;熱帯林における森林破壊と森林劣化軽減と環境サービス強化;これらのことが承認されました。ノルウェイ政府はこの会合で、熱帯林における森林破壊と森林劣化軽減プログラムに350万USドルの基金を約束し、他にもこのプログラムへ興味を示している資金提供者がいます。すべてのプログラムへの追加基金を仰ぐためのより詳しい協議会が行われます。

この理事会会合は11件のプロジェクトと2件の前段階プロジェクトに総額390万USドルの資金供給をし、その中には、リベリアが長期にわたる紛争の後で、その森林政策を推進し、林業教育を復活させるよう助ける2つのプロジェクトが含まれています。またペルー北西部の竹林経営、パナマでの統一された森林火災管理へのアプローチ、フィリピンにおける手工芸を含む非木材生産物の継続的な利用とマーケティングによる地方のコミュニティーへの援助にこの基金は用意されました。フリーザイラーフェローシップ基金にも、価値あるプログラムをフェローシップ授与者に提供し続けられるよう理事会が援助しました。

理事会はまたITTOの2008年‐2009年行動計画のもとのいくつかの行動のための新たなあるいは追加の基金として110万USドルを承認しました。木材調達政策における開発と進歩を学ぶアクティビティや、熱帯自然林の持続可能な経営のためのITTOのガイドラインを最新なものにしフィールドテストを行うアクティビティ、持続可能な熱帯林経営のための判断基準と尺度の適用に関する、追加の国家的トレーニングワークショップがここには含まれました。また中小企業が合法的、継続的に木材を産出し貿易する可能性を強化し、人々が気候変動への統一された森林分野の回答を形作り、実施するのを助けるために基金は提供されました。追加の基金は、ワシントン条約の熱帯木材の種のリストを満たすためのメンバーの能力を強化するべく進行しているITTOのプログラムにも提供されました。

この会合で発表されたプロジェクト、前段階プロジェクト、2年毎のワークプログラムのための新しい基金は、ITTOの「熱帯森林法強化と貿易」プログラム(TFLET,現在は「森林法強化、管理と貿易」の新しいテーマのプログラムと合体)を通して提供された10万USドルを含んでいます。これで、このプログラムに提供された基金は500万USドル近くなります。

理事会はまた、2006年のITTAメンバーによる承認の状況を再検討しました。機関の現在の管理条約(ITTA,1994年)の同意は2008年初めには発効する予定でしたが、メンバー国による承認のスローペースのために遅れています。現在の60のメンバーのうち、18カ国しか新しいアグリーメントを承諾するのに必要なステップを踏んでいません。しかし、理事会は、いくつかの他の国々が承認と同意のプロセスを前進していることを確認しています。

ノルウェイに加えて、この会合における他の主要な出資者は日本、スイス、アメリカの各国政府です。

国際熱帯木材理事会の次期会合は2009年横浜で開かれます。理事会はまた2010年にグアテマラで会合を招集することを同意しました。

すべての新しく資金提供されたプロジェクトの詳細はITTOの「熱帯林アップデート」の次号で発表されます。