アフリカに利益をもたらすための森林会議

2008年6月11日, ガーナ、アクラ

会議にてスピーチを行うKatharina Kuehmayer議長
写真: ITTO

今週行われている国際熱帯木材機関(ITTO)の会議において、アフリカにおける持続可能な森林経営を援助するため200万USドル強に相当する補助金の交付が発表された。

ITTOは60カ国(西および中央アフリカ10カ国を含む)が加盟する政府間組織であり、持続可能な森林経営のための政策を開発、実施し、熱帯木材の国際取引を促進している。1987年の設立以来、ITTOは3億USドル強に相当する補助金を、持続可能な森林経営と保全ならびに持続可能な開発を促進するための600件余のプロジェクトに提供してきた。

ITTOが直面している重要事項は、新協定である2006年国際熱帯木材協定(ITTA 2006)の発効である。アクラで行われているこの会議は、国際熱帯木材理事会(ITTOの統括機関)の2007年決議により招集されたものであり、新協定発効に際して考慮すべき運営に関する問題の見直しと明確化を行っている。議論されている問題としては、ITTOの作業指針となる(そして新たな資金源につながることが期待される)新テーマプログラムの運営方針、ITTA 2006により設立された理事会補助委員会の機能、プロジェクトの提出、レビュー、資金拠出サイクルがある。これらの主題に関する決議草案の要素は、会議中に結成されるワーキンググループにより起草され、今年11月に横浜で行われる次回理事会会議での議論のベースとなる。

アクラ会議は、ITTOアフリカ加盟国のための1日会議(「アフリカ・デー」)で幕を開けた。この会議は、ITTO的文脈における地域的課題に重点を置き、地域特有の問題と開発援助ニーズを特定するものであった。カメルーン、コンゴ、ガーナの森林担当大臣が、貧困、気候変動、持続可能な開発に焦点を当てて各国の森林事情について発表し、全大臣が森林部門はこれらの問題に対処する上での鍵であると述べた。3人の大臣はまた、自国において進行中の持続可能な森林経営への移行を援助する上で、ITTOならびに他の開発パートナーが重要な役割を持っていると述べた。その他、世界銀行、世界自然保護連合(IUCN)、中央アフリカ森林協議会(COMIFAC)、国際林業協会(IFIA)の代表者もアフリカ・デーにおいてスピーチを行った。アフリカ・デーのテーマのいくつか(特にコミュニティ参加および小企業の役割に関するテーマ)は、ITTO市民社会アドバイザリーグループ主催で1日後に行われたコミュニティベース森林経営と企業に関するサイドイベントにて更に重点が置かれた。

アクラ会議までの6ヶ月サイクルの間にITTO資金提供国により誓約された資金額は計300万USドル強に上った。これには2件のガーナにおけるプロジェクト(1件は薬草の保全と持続可能な利用について森林コミュニティを援助するプロジェクト、もう1件は木材トラッキングシステム実施のためのプロジェクト)への支援が含まれる。その他支援が約束されたアフリカのプロジェクトとしては、コートジボワールの森林種子源を管理、保全するためのプロジェクト案、トーゴにおける保全および持続可能な生物多様性管理に関する研究、中央アフリカの森林環境教育訓練機関ネットワーク、RIFFEACを通じて持続可能な森林経営トレーニングを強化するための一部資金提供されているプロジェクト案がある。また、西アフリカにおける森林法遵守を改善するためのITTO-FAO共同地域ワークショップ、西アフリカでのワークショップを最後に完了する一連の地域ワークショップの成果に基づいてITTO-FAO森林法遵守改善最良事例大要を改訂するための2008-2009年作業プログラム活動にも資金が拠出された。他の地域のプロジェクトも支援を受けた。これには、カンボジアにおける森林法執行とガバナンスを強化するためのプロジェクト、ガイアナにおけるコミュニティ製材所が生産した商用木材に付加価値を与えるためのプロジェクト、そしてタイの国家森林情報システムを強化するためのプロジェクト案がある。また、ITTOが2008年中、資格ある加盟国国籍者への奨学金授与を継続するための追加資金も誓約された。今プロジェクトサイクル中の資金提供を約束した国は、日本、アメリカ、スイス、オランダ、ベルギー、ニュージーランド、オーストラリア、フィンランド、韓国である。

アクラ会議、ITTOまたITTOが支援するプロジェクトに関する詳細は、www.itto.or.jpをご覧ください。