農村地域の女性たちのエンパワーメントは、ITTOの使命の中核
2025年10月15日, 横浜

ITTOの支援を受け、コートジボワールの女性団体は環境に優しい技術を導入し、持続可能な木材供給のために何ヘクタールもの森林地を回復させました。© Afrique Green Side
熱帯林の持続可能な経営と、合法かつ持続可能な方法で生産された熱帯木材・林産物の取引において、農村地域の女性が果たす重要な役割を認め拡大することは、ITTOの使命の中核をなすものであると、ITTO事務局長は述べました。
ITTOは、貧困・飢餓・栄養不良との闘いにおけるジェンダー平等と女性のエンパワーメントの役割を強調する「農山漁村女性のための国際デー」(毎年10月15日)に際し、熱帯林の保全と持続可能な利用における女性支援への取組を再確認しました。
「女性の権利を保障することは、人類の半数がその可能性を発揮することを可能にします。」とシャーム・サックルITTO事務局長は述べました。「彼女たちの技能、知識、ネットワークを強化し活用することは、あらゆる国やコミュニティ、特に農村地域において、持続可能な開発をもたらすために極めて重要です。」

ITTOの活動における女性
多くの農村地域のコミュニティにおいて、女性は薪、食料、薬を含む森林資源の主要な採取者・利用者です。持続可能な森林経営に寄与する豊富な伝統的知識を有することが多く、森林保全や熱帯林の回復における重要な担い手となっています。また、森林バリューチェーンに大きく貢献し、家計収入を生み出し、貧困削減を支えています。
ITTOは長年、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの熱帯地域における林業・林産物分野での女性の役割を認め、促進してきました。ITTOの「ジェンダー平等と女性のエンパワーメント(GEEW)」ガイドラインは、政策立案、プログラム、プロジェクトにジェンダーへの配慮を組み込むことをさらに強化しています。
農村地域の女性による持続可能な開発促進を支援するITTO資金提供プロジェクトの例は以下の通りです:
- コートジボワールの木炭生産 – ITTOは女性団体への資金提供を通じて、木炭生産におけるより効率的で環境に優しい技術の採用と、持続可能な木材供給源を確保するための100ヘクタールの森林再生を支援しました。
- コロンビアにおける二次林の経営(英語) – 現在進行中のITTOプロジェクトでは、エンリッチメント・プランティングとアグロフォレストリーシステムを活用し、多くの女性を含む地域住民が二次林を持続可能に経営し生活水準を向上させることを支援しています。
- トーゴにおける森林景観再生 – 本取組によって、女性たちは、改良されたアグロフォレストリー手法の導入し、技能習得の促進、雇用と経済的自立の実現とともに、劣化した土地の再生に貢献することができました。
国際的な取組
今年の「農山漁村女性のための国際デー」は、女性と少女の平等な権利達成に向けた先見的な行動指針である「北京宣言及び行動綱領」採択30周年を記念する時期と重なります。
国連の最近の報告書(英語)では、各国は女性の雇用や教育へのアクセス拡大など、女性のエンパワーメントに向けた多くの措置を講じてきたものの、多くの経済圏や社会では依然として差別が根強く残っていることが示されています。
「熱帯地域をはじめ、女性の権利向上とエンパワーメントは未だ不完全な状態です。」とサックル氏は述べました。「ITTOは加盟国の支援を得て、全事業において、女性のエンパワーメントの主流化を継続します。これはすべての人々の平等な持続可能性と繁栄を達成するために不可欠であると認識しているからです。」