GTI:アフリカ木材市場、8月に成長を示す

2025年9月18日, 横浜

ガーナのスプレモ・ウッド・プロセシング社の工場で製品を管理する作業員。© Peter Zormelo

8月、多くの国の木材市場で低調な動きが見られたものの、一部のアフリカ諸国では改善が見られたと、国際熱帯木材機関(ITTO)が支援する世界木材指標(Global Timber Index:GTI)の最新報告は述べています。GTIでは、アフリカ、アジア、ラテンアメリカのパイロット国における木材セクターの動向を追跡しています。

ガーナのGTIは60.5%となり、8か月連続で50%の基準値を上回りました。ガボンの指数も52.6%に上昇し、数か月の縮小局面を経て、再び基準値を上回ることとなりました。

一方、タイ(45.2%)およびブラジル(30.5%)のGTIは、一時的な拡大の後に再び縮小局面に戻りました。コンゴ共和国(41.9%)、メキシコ(35.4%)、マレーシア(26.1%)の指数も引き続き低調な水準にとどまっています。

中国については、GTI値が50.8%となり、生産と輸出受注が前月比で小幅な成長を示しました。

木質パネルに特化したGTI-木質パネル指数(GTI-Woodbased Panel Index)は、8月に54.6%となり、5か月連続で基準値を上回り、セクターの改善を示唆しました。ただし、木材生産に特化したGTI-生産者指数(GTI-Producers Index)は37.7%にとどまり、同分野の弱さを示しています。

ガボンのルジエ社の林業家による立木測定。© Carole Ogandagas

調査対象企業によって、今月報告された課題は、関税政策、市場需要の弱さ、資金面での圧迫などに集中しました。米国の関税政策により、ラテンアメリカ諸国の企業は国内市場への依存度を高め、国際取引については様子見の姿勢をとるところもありました。一方、アジアのパイロット国では、受注不足と需要の弱さが共通の課題として報告されました。アフリカでの主な懸念は、資金面の圧力、物流、エネルギーコストでした。

GTIでは、パイロット国における持続可能な森林経営への進展についても報告しています。最近の動向として、ガーナは2025年10月から、森林法執行・ガバナンス・貿易(FLEGT)ライセンス付き木材の欧州市場への輸出を開始する予定であり、森林ガバナンス改革、木材合法性システムの改善、持続可能な貿易促進に向けた16年間の歩みを完結させることになります。また、森林再生の取組において技術を活用する例として、メキシコでは火災で被害を受けた森林を回復させるためにドローンを用いた種子散布が行われているという事例が挙げられます。

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