GTI: ブラジル、6ヶ月ぶりに拡大に転じる

2025年8月19日, 横浜

ブラジル・パラ州の森林内での作業。同国の7月GTIは、木材産業の回復を示しています。© TRC-Teak Resources Co.

最新の世界木材指標(Global Timber Index: GTI)の報告書によると、ブラジルの木材産業は7月、6ヶ月間の低迷期を経て、成長軌道に乗ったとされています。ITTOは、パイロット国における木材産業の動向を追跡するGTIを支援しています。

ブラジルのGTI値は7月、50%の基準値を上回る50.8%となりました。これは、木材産業の回復傾向を示すものです。ガーナのGTI値(75.8%)は7ヶ月連続でプラス圏を維持し、持続的な改善を示しています。タイ(53.4%)では、大雨にもかかわらず、2ヶ月連続で成長を記録しました。

一方、中国(48.7%)は4ヶ月連続の成長後、再び縮小傾向に転じ、ガボン(45.4%)、コンゴ共和国(42.4%)、メキシコ(36.7%)、マレーシア(29.6%)のGTI値は縮小圏に留まり、これらの国における木材事業の全体的な低迷を示しています。

GTIのサブインデックスによると、タイとガーナは前月と比較して伐採量が大幅に増加しました。中国の木材生産は5ヶ月連続で成長を維持し、ブラジルの国内市場は大幅に改善されました。メキシコの輸出市場は6月の一時的な減少後、再び安定化しました。

7月、米国は複数の国からの輸入品に対する関税を調整しました。例えば、タイに対する関税は36%から19%に大幅引き下げられました。しかし、ホワイトハウスはブラジルに対して追加の40%の関税を課し、総関税を50%に引き上げました。

ブラジルのGTIの関係先によると、関連する米国の大統領令で免除対象に含まれていない植林からの加工木材製品が、木材セクターの中でも最も大きな影響を受けています。

ブラジル・マットグロッソ州の木材事業者向けワークショップ。© TRC-Teak Resources Co.

GTIレポートの最新号では、EUの市場規制に関連するガーナとマレーシアの動向など、持続可能な森林経営の進展状況も調査しています。

7月のレポートでは、合法かつ持続可能な木材貿易の優良事例に関するケーススタディシリーズの一環として、メキシコにおけるコミュニティガバナンスに基づく持続可能な森林経営を紹介しています。  

また、同レポートでは、GTIプラットフォームが10のパイロット国におけるサンプル企業を対象として実施した包括的な需給調査の概要が提示されています。  

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