REDDプラス推進のために森林劣化に対処すべきとITTO事務局長が述べる

ガーナの劣化林。森林劣化はREDDプラス推進に向けて取り組むべき課題。写真提供: D. Blay

ゲアハート・ディタレITTO事務局長によると、熱帯林における温室効果ガス排出の最大要因である森林劣化に対してREDDプラスはより注意を払う必要があります。
 
ディタレ博士は、今週、東京で開催された国際セミナーでREDDプラスの資金を持続可能な森林経営(SFM)と熱帯地域における持続可能なバリューチェーンに向けることで、森林だけでなく製品とエネルギーの再生不能な資源を大幅に代替でき、温室効果ガス排出を世界規模でかなり減少させることができると述べました。SFMと木質材料とエネルギーの併用によって温室効果ガス排出量が低減できると、地球温暖化への取り組みにも新たな一面が加わることになり、気候変動緩和策の期待と成果とのギャップを埋めるためにもなくてはならない貢献ができるでしょう。
 
「森林破壊は世界的な検討事項になっていますが、森林劣化については過小評価されていました」。「森林劣化は温室効果ガスの排出に大きく関わり、森林が不可欠な財やサービスを供給し、気候変動を緩和する能力を低下させます。私たちの見解では、森林劣化は国際的な森林制度にとって見落としであり、緊急の注意を要します」と同氏は述べました。

ディタレ博士は、森林減少は森林破壊よりも対応が困難だと述べました。なぜなら、森林劣化は広大な土地で分散して起こり、信頼性の高い評価を行うことが難しいからです。このために、森林劣化はREDDプラスプロジェクトを含む(これに限定されない)多くの面で取り組まなければなりません。

森林破壊と森林劣化の両方に対処する革新的な方法もまた需要側から出てくるべきであり、「サプライチェーンの価値は、SFM、生産、マーケティング、木材やその他の森林製品の使用に関する優良事例へのインセンティブとして重要な役割を果たします」とディタレ博士は語りました。

国際セミナー「REDDプラス展開の鍵は何か?-現場活動から見えてきた、REDDプラスの実践手法-」は、2018年2月7日に東京で開催されました。本イベントはITTOならびに日本の林野庁と森林総合研究所との共催で行われました。 とりわけ、この会議では民間企業の参加のもとでREDDプラスの今後の課題を踏まえ、日本とペルーにおける排出削減量、REDDプラスの活動についても検討がなされました。 また、2月6日にはREDDプラスに関する専門家会合も開催され、ITTOは熱帯林の森林劣化に対処するための事業について知見を提供しました。

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