International Day of Forests 2016, celebrating forests and water

2016年3月18日

気候変動によって森林の水文学的機能は妨げられています。それにもかかわらず、昨年12月にフランスのパリで気候変動に関する歴史的な合意に至ったことで森林が地球環境問題の中でも最重要課題に位置づけられるようになりました。パリ協定では気候変動の緩和と適応の最前線にいる森林の役割を正式化しています。
 
熱帯林は重要な環境サービスを提供しています。持続可能な森林経営(SFM)には集水域を保護する役目があることが明確なことからわかるように、下流の水質や流れを維持し、洪水や沈降を防いでいます。同時に周辺地域の生活にも貢献しています。こうしたことから熱帯林や景観が提供できる様々な可能性を保護して、私たち社会が(水の供給を含む)あらゆる恩恵を享受するために有効な土地利用計画とSFMを実施するだけの能力を備えることが不可欠になります。
 
ITTOは熱帯地域でのSFM推進に向けた能力開発に積極的に取り組んでいます。例えば『天然熱帯林の持続可能な経営に関するガイドライン』(2015年発行、英語)では、森林の生産性と健全性、そして水文学的機能を維持することを目的として、森林における効果的な土壌・水管理についての原則及びガイダンスを提供しています。
 
私たちは地球環境問題の最重要課題に挙げられる森林について、熱帯林の持続可能な経営と利用のために新たな投資が行われることを望んでいます。最近の森林に関する取り組みには、中にはITTOや森林に関する協調パートナーシップ(CPF: Collaborative Partnership on Forests)の支援を受ける国もありますが、的を絞った介入によって飛躍的に森林減少・劣化を低減しSFMを取り入れることに成功した例もあります。ITTOは加盟各国及びすべてのステークホルダーと協力して、熱帯林の保全、そして現在また将来の世代に新鮮な水を供給できるように取り組んでいます。

 
国際森林デー記念ビデオ(英語)をご覧ください。