熱帯林が気候変動に果たす役割

2008年4月25日, 横浜

緑の壁
写真: Fotonatura

100名を超える国際的専門家が、気候変動の緩和および適応における熱帯林とその持続可能な経営の役割を推進する目的で、来週横浜に集結する。この専門家会議は、熱帯林資源の保全ならびに持続可能な経営、利用および取引の促進を使命として国連が設立した政府間組織であり日本に拠点を置く国際熱帯木材機関(ITTO)によって招集されるものである。

地表の17.5億ヘクタール以上を覆う熱帯林は、気候変動の緩和と適応に貢献する大きな可能性を秘めている。森林減少と森林劣化に起因する温室効果ガス排出は、現在世界全体の18%を占めると推定されている。実質的にこの排出のすべては熱帯の発展途上国から発生しており、そのほとんどはITTO加盟国である。2005年までの5年間の間に、ITTO熱帯加盟国15カ国で世界全体の森林減少の70%以上を占め、この期間の年間平均はほぼ1,200万ヘクタールであった。これらの国々において、森林減少の気候変動への悪影響を食い止めるための大部分の政策的アプローチやポジティブインセンティブを有効に実施する必要がある。従って、森林による緩和および適応の方策、ならびにその他の熱帯林における炭素バランスを向上させるための行動を開発し、実施することは緊急のニーズである。

来たる専門家会議は気候変動の適応と緩和における熱帯林経営の役割を明確に示すことが期待されている。特にITTO加盟諸国が気候変動への統合された森林部門の対応を策定し実施することを支援するためにITTOが提供することのできる貢献に焦点が当てられる。会議の具体的な焦点は、森林減少・劣化からの温室効果ガス排出を削減し(REDD)、持続可能な森林経営を通じて炭素隔離を促進するためのスキームの新たな要件を、国際的に合意された基準と指標を考慮しつつ、調整することとなろう。また各作業部会の提案する地域的戦略は、林業における気候関連イニシアチブのガイドとなりとともに、来たる第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)のような地域限定フォーラムへのインプットとなるであろう。専門家会議の1ヶ月後にやはり横浜で予定されているこのハイレベルな会議は、アフリカ大陸の経済成長および人間の安全保障の主要素として、アフリカにおける環境問題および気候変動に対処することに焦点を当てる。

来たる国際専門家会議、TICAD IV、ITTO全般に関する詳細は、www.itto.or.jpまで。