アマゾナス州知事、ITTOを訪問

2007年11月20日, 横浜

訪問中にブラジル報道陣の取材を受ける
ブラーガ知事(左)とゼ・メカ氏(中央)
写真:K. 佐藤/ITTO

ブラジル最大の州であるアマゾナス州の知事が昨日ITTO本部を訪問し、同州の広大な森林資源の持続可能な開発における協力可能な分野について議論した。


エドゥアルド・ブラーガ知事は、投資および開発機会を呼び込むためのアジア訪問の一環として、数人の州官僚およびブラジルメディア代表者を伴い、一日ITTOを訪れたものである。アマゾナス州は1億5,700万ヘクタール(ほぼフランスの3倍の面積)に及ぶが、ブラジルのアマゾン領土の3分の1を占めるに過ぎない。低い人口圧力、非採取型の経済開発の重視が、州都マナウス周辺に設立された自由貿易圏と相まって、アマゾナス州はアマゾンで最も手つかずの森林生態系を誇っている。農業の拡大、採鉱、持続可能でない伐採によりブラジルの他の地域で起きている大規模な森林減少は、アマゾナス州においては食い止められており、その98%は健康な森林に覆われている。ブラーガ知事の計画は、アマゾナス州に「グリーン」自由貿易圏を実施することによってこれを持続するというものである。これは、広大かつ管理の行き届いた保護区ネットワークを通じて持続可能な開発を推進し、生態系的に健全で、社会的に公正で、かつ経済的に実現可能な林業、漁業、農業生産システムによってこれを支援するものである。この「ゾーナ・フランカ・ヴェルデ(グリーン自由圏)」はまた、炭素隔離や同州が世界最大の地上供給を持つ淡水などの生態系サービスを提供することによって開発機会を更に拡大する。


ブラーガ知事はまた、森林に居住する家族およびコミュニティによる森林保護活動に報酬を与える革新的なスキームを実施している。この「ボルサ・フロレスタ(森林基金)」プログラムにより、森林に居住する家族は森林保全活動に参加することにより月$25の報酬を受ける。このプログラムはまた、持続可能な森林経営および保全活動に参画するコミュニティに対し、小規模金融(年$2,000まで)の利用を提供している。これらの数字は少なく見えるかも知れないが、一人当たり年収が$5,000(マナウス自由貿易圏外ではこれよりずっと低い)前後という同州において、この「ボルサ・フロレスタ」プログラムは大きな効果を生んでおり、過去5年間でアマゾナス州のもともと低い森林減少率を更に半減させた一因である。

アマゾナス州代表団は、コミュニティ森林(森林拡大、森林法施行、透明性、認証への段階的アプローチに関するITTO作業プログラム活動を含む)、ならびに計画されている森林コンセッション制度の管理(パイロットプロジェクトおよび入札制度の設計を含む)の分野におけるITTOとの協力について議論した。エマヌエル・ゼ・メカITTO事務局長は、アマゾナス州がその広大な森林資源に基づいて持続可能な開発を促進するという目標を達成できるよう支援するための活発な協力プログラムを実現するため、知事および連邦官僚とブラジルにおいて緊密に協力することを約束した。ブラーガ知事はまた(州書記官とともに)、インドネシア、バリで12月8日に予定されている「気候変動に関する国際連合枠組条約締約国会議」中のITTOサイドイベントへの出席およびスピーチの招待を受け入れた。

UNFCCC CoPでのITTOサイドイベント、ならびにブラジルその他地域における持続可能な森林経営に対するITTOの作業に関する詳細は、www.itto.or.jpをご覧下さい。