ワークショップが熱帯地方の森林景観回復ガイドライン開発に役立てられる

2019年6月14日, Lüderenalp(スイス)

熱帯林景観回復ガイドライン案に関する協議の一環としてワークショップの参加者がエメンタール地方の劣化した森林景観を回復させるためのスイスのさまざまな経験を話し合っている。
写真撮影:H.O. Ma/ITTO

専門家向けワークショップが6月初旬に開催され、熱帯林景観回復(Forest Landscape Restoration:FLR)に関するガイドライン開発に非常に有益な情報や意見が出されました。FLR専門家約25名がスイスの Lüderenalp に集まり、3日間に渡って集中的な議論や建設的な対話を行いました。

FLRは、劣化・減少した森林景観で生態系機能を回復し人間福利を増大させる継続的なプロセスと定義されます。劣化した森林と森林地を再生し、徐々に森林景観の持続可能な経営を可能にすることがFLRの全体根拠です。

ガイドラインで重点が置かれるのは、景観モザイクの中で森林と他の土地利用との共存が実現するよう、景観内の機能的な熱帯林生態系の再生です。ガイドラインの目的は、熱帯林生物群系で劣化した森林や森林地の再生のためにFLRに関わっている、またはこれを検討している関係者に対し、高水準で実用的な支援を行うことです。

ワークショップには、政府機関や森林に関する協調パートナーシップ(CPR)や森林景観再生に関するグローバル・パートナーシップ(GPFLR)の加盟機関の専門家が参加し、ガイドラインの原案を見直し、その構成や内容に関して多数の提言を提供しました。

ガイドラインの修正案は、2019年12月初めにトーゴのロメにて開催予定の第55回国際熱帯木材理事会にて発表される予定です。

ITTOは、アジア森林協力機構(Asian Forest Cooperation Organization)およびスイス開発協力庁(Swiss Agency for Development and Cooperation)と共に本ワークショップの開催に資金協力を行い、ベルン応用科学大学が支援業務を行いました。