森林を大切に!森林教育を通じて持続可能な未来を築く―国際森林デー2019

2019年3月20日, 横浜

メキシコの沿岸域の熱帯林が提供する環境サービスについて評価するITTOプロジェクトの一環として、森林の役割について子供たちに教える様子。写真提供:G. Sánchez-Vigil

私たちの未来にとって森林について理解し、森林を健全に保つことは非常に重要です。今年の国際森林デー(3月21日)のテーマは「森林と教育」です。ITTOはこの機会に、人間のニーズを満たし持続可能な開発目標を達成する上での森林の役割と森林について、森林に携わる人々がどのように学んでいるか紹介します。

最初に紹介するこのビデオでは、コートジボワールのDimbroko女性連盟のムメ・トラオレ・ペパ氏と農村部の女性たちによる森林再生を促進したITTOプロジェクトの受益者について取り上げています。ペパ氏や彼女のような他の人たちは、苗床の開設と維持、植林、そしてアグロフォレストリーのスキルを身に付けることで、家計を支えて自分たちの村の暮らしが向上したのです。ぺパ氏はビデオの中で「私たちは他の村でも同様に女性に対して研修を行うことを計画しています。彼女たちに作物を育てることと森林再生が可能だということを説明し、このような活動に参加できるようにと考えています」と述べています。

熱帯林の持つ価値についての意識を向上させることで、森林との関係を築くことができます。都市部に住む人々が、例えば、きれいな空気、淡水、食品や医薬品、平和的な瞑想やレクリエーションのための緑地、生物多様性保全、建築や一般生活向け材料など、森林製品や生態系サービスが私たちの生活にどのように役立つかを理解することが特に重要です。このビデオでは、ボルネオのインドネシアとマレーシアの国境に位置するベタン・ケリフム国立公園の熱帯林の美しさを伝えています。この地域には、オランウータンを含む少なくとも48の哺乳動物種や1200の植物種、112の魚種が生息しています。 ここでのITTO長期プロジェクトで、地元の人々の生活が向上し、生物多様性保全についてより良い成果につながりました。このことから、都市部で生活する人々にも良い影響を与えることでしょう。

また、インドネシアではITTOプロジェクトにより竹などの非木材林産物を含む森林資源の持続可能な利用と保全がもたらす恩恵について、コミュニティーに対する教育が実践できました。 ITTOプロジェクトの成果である「1000バンブービレッジ」のコンセプトのこのビデオでは、竹の持続可能な利用と、竹生産に適した荒廃地の修復のための地域社会の能力構築を行っています。持続可能な方法で管理された資源に基づき繁栄している竹産業は、地域社会の生活を向上させつつ、衣料品、紙パルプ、フローリングを製造する企業向けの原材料も生産することになるでしょう。

熱帯林の管理と利用を改善するためには、熱帯林における人的リソースの能力構築と専門知識の強化が不可欠です。コロンビア出身のITTOフェローであるロイ・ゴンザレス氏の研究によると、ITTOはフェローシップ・プログラムを通じて人材育成を推進しています。このビデオでは、ゴンザレス氏の研究が気候変動に適応する乾燥熱帯林の持つ能力について理解を深めることを説明しています。さらにこちらのビデオでは、ITTOフェローのタイ A・リマ氏がブラジルのアマゾンで森林法の施行を支援する方法としての選択的伐採のマッピングに関する自身のフィールド調査について説明しています。

森林学習には森林計画木材追跡に対する最新のテクノロジーの利用や、非木材林産物のより効率的な利用持続可能な森林への投資を促進する方法の理解、そしてジェンダー平等を推進し、森林地域に住む女性のエンパワーメントなど、数え切れないほどの重要な側面があります。

今後数年間で多くの生態学的な不確実性に直面し、世界人口が2030年までに85億人に達すると予測されているこの地球で、健全で持続可能な方法で管理された森林が提供する財と環境サービスはますます重要になるでしょう。国際森林デーをきっかけに、森林を大切にすること、愛することを学びましょう!

国際森林デーについてのソーシャルメディアの投稿はFacebookInstagramTwitterをご確認ください。

この他のITTO制作ビデオについてはYouTubeチャンネルをご覧下さい。