ITTOとFAOがベトナムの統計能力強化に協力

2019年5月14日

ダナン(ベトナム)の工場で作業員がイスのパーツに最後の仕上げを施している
写真撮影:J. Claudon/ITTO

ITTO、国連食糧農業機関(FAO)およびベトナムの政府機関は4月にワークショップを開催し、林産物の統計と報告に関する能力強化への支援を行いました。ベトナムは有数の熱帯一次産品の輸入国、木製家具の輸出国で、効果的な政策の策定と海外投資の誘致に向けて信頼できるデータが必要となっています。
 
ベトナムの林産物統計に関するFAO – ITTOナショナルワークショップ(FAO-ITTO National Workshop on Forest Products Statistics in Viet Nam)は、ベトナム林業局(Viet Nam Administration of Forestry:VNFOREST)の共催、森林資源・環境センター(Forest Resources and Environment Center)の協賛により、2019年4月10日から12日までダナン市で開催されました。ワークショップは、ベトナムの森林専門家、技術者、統計担当者、学者、公共・民間セクターの代表者ら約30名の参加を得て、ITTO共同森林部門質問票(ITTO Joint Forest Sector Questionnaire)の提出を通じた林産物統計の収集、確認、報告及び普及の改善に焦点を絞って行われました。また、参加者は、ベトナムの林産物加工セクター、森林統計に関する法的な枠組、関係省庁間の連携、統計指標、貿易統計(輸出入)および木材供給について、その現状の把握も行いました。
 
ワークショップでは、森林プランテーションにおける研究・開発(R&D)、木材の有効利用、歩留まり、EU FLEGT(European Union Forest Law Enforcement, Governance and Trade)プログラムの下でベトナムとの間で進められているVPA(Voluntary Partnership Agreement)交渉についても取り上げられました。FAOは、2018年12月にグローバル・ストラテジー(Global Strategy)の下で公表した「林産物に関する全国統計のためのデータ収集ガイドライン(Guidelines on Data Collection for National Statistics on Forest Products(英語))について発表を行いました。
 
参加者は、省庁間の連絡と協力、データ収集と普及の改善のための方法について検討を行いました。

 ワークショップでは、アカシアの認証人工林を経営し、700人を雇用して主にアメリカとヨーロッパ向けに家具を製造する Forexco Quangman 社を視察しました。参加者は、原材料が最終製品になるまでの木製家具の生産工程を学びました。

ワークショップを通じ、ベトナムで年間生産される産業用丸木の材積(2017年には2,700万㎥)など、何が重要な統計なのかが明らかになりました。 また、このワークショップにより、全国的なデータ収集能力の強化、関係機関(VNFOREST、ベトナム統計局(General Statistics Office)、ベトナム税関(General Department of Customs)、森林インベントリ・計画研究所(Forest Inventory and Planning Institute:FIPI)、森林資源・環境センター)間の連絡と連携の改善、FAO、ITTOおよびベトナム関係機関間の協力関係の強化も行われました。
 
以下のウェブサイトで本ワークショップの発表資料(英語・ベトナム語)がご覧になれます:
www.fao.org/forestry/statistics/80566@212059/en