中国の木材セクター、10月も上向き傾向を維持

2024年11月19日

木製ドア製造機。木製ドアを製造する中国の小規模企業にて。

2024年11月19日:中国木材市場は10月、回復を続けていると、本日発表された世界木材指標(Global Timber Index: GTI)レポートの最新版が示しています。ITTOが支援するGTIは、様々なパイロット国の木材セクターの実績を追跡しています。

10月の中国のGTIは50.9%で、2ヵ月連続で50%の基準値を超えています(つまり、このセクターが上向き傾向であることを示します)。中国の木材セクターにとって伝統的に繁忙期となる時期が訪れたことで、生産と新規受注の両方が増加しました。

一方、GTIに参加している生産国の木材市場は10月、比較的低迷しており、コンゴ(48.1%)、ガーナ(48.0%)、タイ(44.2%)、ブラジル(43.2%)、ガボン(35.4%)、メキシコ(33.9%)、マレーシア(22.8%)と、GTIはすべて50%を下回りました。

アフリカの3つのパイロット国(ガボン、ガーナ、コンゴ)のGTIは10月に上昇しており、3カ国の木材セクターの全体的な縮小傾向が緩和されつつあることを示しています。特にコンゴの木材市場は需要と供給の両面で安定化の兆しを見せています。

その他のニュースとしては、木材生産に特化した指数であるGTI-生産者指数(GTI-Producers Index)は43.7%、木質系パネルに特化した指数であるGTI-木質パネル指数(GTI-WBP Index)は46.1%であることから、両サブセクターが10月に縮小したと言えます。

GTIレポートはまた、パイロット国における持続可能な森林経営の進捗を示す指標にも注目しています。例えば、マレーシアのサバ州は最近、欧州連合による森林減少に関する規制(European Union Deforestation Regulation: EUDR)に準拠した合板をポーランドに初めて輸出しました。サバ州森林局のダトゥク・フレッド・クガン主席森林保全官によると、サバ州は木材の合法性保証システムを強化し、2025年2月までにEUDRの要件を完全に入れ込む準備を進めています。

また、10月15日、ガーナ政府は、特定の森林保護区での採掘活動を許可している規則LI2462を廃止するための新たな法案を議会に提出したと発表しました。

国連食糧農業機関(FAO)の報告によると、メキシコは森林情報の透明性においてラテンアメリカをリードしており、メキシコ政府はこの点で多くの取り組みを実施しています。例えば、メキシコの国家森林委員会は、国の森林・土壌調査のメタデータ、マイクロデータ、補足資料をFAOの食糧農業マイクロデータカタログ (Microdata Catalog for Food and Agriculture)で一般公開しています。

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木製ドアを製造する中国の小規模企業の作業場。