サラワク州政府、ITTOプロジェクトの終了を要請

2024年10月10日, マレーシア・サラワク州・ミリ

ITTOプロジェクトPD 902/19 Rev. 3 (F) 「マレーシア・サラワク州アッパーバラムにおける、地域コミュニティの関与による保全と持続可能な開発のためのアッパーバラム・フォレストエリアの経営」の第2回プロジェクト運営委員会。写真:R. Carrillo/ITTO

2024年10月10日、マレーシア、サラワク州、ミリ: マレーシア、サラワク州のアッパーバラムの森林地帯におけるITTOプロジェクトは、プロジェクト実施に影響を及ぼす要因のため、サラワク州政府の要請により終了することになりました。

この要請は、サラワク州ミリで開催されたITTOプロジェクトPD 902/19 Rev. 3 (F) 「マレーシア・サラワク州アッパーバラムにおける、地域コミュニティの関与による保全と持続可能な開発のためのアッパーバラム・フォレストエリアの経営」の第2回プロジェクト運営委員会(project steering committee: PSC)で行われました。

同プロジェクトは、2021年11月から12月にかけて開催された第57回国際熱帯木材理事会(ITTC)で承認され、2023年9月に開始されました。日本政府、ブルーノ・マンサー基金(BMF)、バーゼル州(スイス)が資金を提供しています。

サラワク州森林局のセミラン・アナック・リポット副森林局長は、サラワク州森林局長のダトゥ・ハジ・ハムデン・ビン・ハジ・モハマド氏に代わり、会議の冒頭で発言し、アッパーバラム・フォレストエリアのコミュニティには多様な意見やニーズがあると述べました。

リポット氏は、「関係者の中には、ITTCが承認したプロジェクト文書に規定されているものとは明らかに異なる願望を持つ者もおり、継続することは非常に困難です。」「本件を鑑み、サラワクは本プロジェクトの中止をPSCに要請します。」と述べました。

PSC会合に出席したシャーム・サックルITTO事務局長は、プロジェクト終了の要請を認めました。今後は、ITTOの方針に従って終了の手続きを実施する必要があります。

「このプロジェクトは、政府と地域コミュニティが総合的な森林経営を行うもので、ITTCによって承認された最初のプロジェクトのひとつです。」とサックル事務局長は述べました。

「ITTOはサラワク州森林局およびステークホルダーと協力し、ITTOのプロセス、マニュアル、ルールや規制に沿って、独立性の確保とモニタリング・コントロールを実施しつつ、客観的かつ包括的であることで、このプロジェクトを成功させるために常に全力を尽くしてきました。ITTOは、このプロジェクトが複雑で繊細なものであることを十分に理解しており、すべてのパートナー間の緊密な協力を通じて、主要な成果を達成できるようにしようと決意していました。この革新的なプロジェクトが計画通りに完了しないことは実に残念です。」

サックル事務局長は、ドナーからのプロジェクトへの寛大な資金提供に感謝し、サラワク州森林局のこれまでの実施努力に謝意を表しました。PSCが検討中の2番目のプロジェクト、PP-A/59-352(「マレーシア・サラワク州アッパーバラムにおける森林経営と森林景観再生におけるコミュニティ・エンパワーメント」)は予定通り継続されます。

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