ITTO、FAO、メキシコ政府が協力、メソアメリカの統計能力構築を支援

2024年3月22日

メキシコ国家森林委員会(CONAFOR)主催の林産物統計に関するITTO-FAOメソアメリカ ワークショップの開始式。写真:R. Canales/CONAFOR

2024年3月22日、メキシコ、サポパン: ITTO、国連食糧農業機関(FAO)、メキシコ国家森林委員会(CONAFOR)が今週開催したワークショップは、メソアメリカの5カ国における林産物統計と報告の能力向上に貢献しました。

2024年3月19日から21日にかけて開催された「メソアメリカにおける林産物統計に関するFAO-ITTOワークショップ」には、コスタリカ、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、パナマのメソアメリカ5カ国から43名の森林専門家、技術者、統計学者、研究者らが参加しました。ワークショップの目的は、地域の統計能力を強化すること、国際機関が各国から木材生産と貿易に関するデータを収集するための重要なツールである共同森林部門質問票(Joint Forest Sector Questionnaire:JFSQ)への回答率を高めること、特に最近JFSQを提出していない国々における地域内のコンタクトを強化すること、地域内の国同士の連携を強化すること、統計データと定義に関するその他の問題に取り組むことでした。

マリア・ルイサ・アルボレス・ゴンサレス環境天然資源大臣は、ワークショップ参加者に向けたビデオメッセージの中で、メキシコ政府は豊かで公正な社会を目指すとともに、人間と環境の相互依存を重要視していると強調しました。

「メキシコの天然資源に関する政策は、森林コミュニティとの協議のもとに策定されたもので、保全することによって生産し、生産することによって保全するという原則に基づいています。」「林業統計は、森林の状態を明確に把握するものであり、実状に即した政策や戦略を立案し、森林の持続可能な経営の実施に欠かせません。」と、ゴンサレス環境天然資源大臣は述べました。

CONAFORのダイレクター・ジェネラルのルイス・メネセス・ムリーヨ氏は、このワークショップは、参加国の森林セクターにおける統計データの質と利用可能性を向上させることを目的に、基本的な問題に取り組むために企画されたと述べました。ワークショップの最後には、林業統計に関する知識、経験、ベストプラクティスを共有しようとする参加者らに感謝の意を表しました。

「多様な視点と各国間の協力は、この地域全体の持続可能な未来を築く鍵です。」「CONAFORは、国内外を問わず、森林経営に携わるすべての関係者と緊密に連携していくことを再確認しました。」とムリーヨ氏は語りました。

ムリーヨ氏はまた、メキシコの森林セクターに関する指標やデータを提供するメキシコ国家森林情報システム(スペイン語)が最近開始したことについても言及しました。

ワークショップの指導に当たったITTO統計専門家のジャン・クリストフ・クラウドン氏は、優れたデータは環境保護、経済発展、気候変動緩和にとって極めて重要であると述べました。

「森林セクターは、将来の環境および経済に関する意思決定において、重要な要因となるでしょう。」「森林セクターに影響を与えるこれからの決定が賢明なものとなるよう、利害関係者、政治家、政府機関に可能な限り最良のデータを提供し、支援しなければなりません。」

FAO林業オフィサーのアルビダス・レベディス氏は、ワークショップで提供される能力開発は、メソアメリカ地域における林産物統計のさらなる発展に貢献するだろうと述べました。同地域は一次林産物の純輸入国であり、2022年には輸入が110億米ドルと、輸出(10億米ドル)を大きく上回っています。

「林業統計は、特に世界の政策立案者が意思決定のためにタイムリーで信頼できる情報を必要としている現在、ますます重要性を増しています。」とレベディス氏は述べました。

ワークショップの参加者は、林産物の国際統計の収集と普及における主な関係者の役割について議論しました。参加者は、自国の森林セクター、林産物統計の収集・分析・普及のための既存のシステム、採用されている方法論、国の政策立案における林産物統計の役割、データ収集とレポーティングを改善するための提案について、プレゼンテーションを行いました。質疑応答では、貿易データの信頼性、ITTO/FAOによる質問票の未提出への対応、データを収集する報告国の国内機関との協力・連携、国際貿易における木材パレットのレポーティング、時系列が崩れた場合の対応、定期的なオンライン会議による交流の可能性などの話題や意見が出ました。

一次林産物の生産時系列の修正に関する議論が行われ、参加者は国際機関の報告と参加国の報告との潜在的な不一致を強調しました。また、林産物のレポーティングにおける一般的な問題である、丸太の収支と国内消費のマイナスについても発表され、修正が行われました。このワークショップにより、報告国とITTOおよびFAOとのコミュニケーションが強化されました。

参加者はまた、木材の歩留まりについてブリーフィングを受け、ITTOが発行した出版物「林産物の歩留まり:熱帯丸太と製材品」(英語)、およびITTO、FAO、UNECEが共同で2020年に発行した「林産物歩留まり」に記載されている、熱帯木材製品の貿易データに使用される換算係数の精度を向上させるためにITTOが行ってきた取り組みについて学びました。ITTOは、木材密度と木材水分の関係に関する既知のデータ、および報告されている主要樹種の国別取引量に基づいて、樹種別および国別の熱帯丸太および製材の重量/体積換算係数を開発しましたが、メソアメリカ地域の国々については利用可能なデータが限られています。この地域の国々のより正確な重量/体積換算係数の開発を可能にするため、各国の統計担当者は、JFSQの中のITTO-2熱帯木材種の貿易セクションを完成させるよう求められました。

ワークショップのプレゼンテーション(英語/スペイン語)は以下からダウンロードできます。

関連するSDGs

林産物統計は、持続可能な林業、資源枯渇の回避、林業の動向把握、投資の意思決定、持続可能な開発を促進するデータ主導の政策立案にとって重要です。

持続可能な熱帯林産業は、持続的に経営された森林から収益を生み出し、農村地域に雇用と収入をもたらすことで、森林劣化、森林減少、貧困を解決する重要な要素です。健全な統計は熱帯林産業の繁栄に不可欠です。
確固とした国の統計システムは、熱帯木材貿易の透明性を高める可能性を秘めています。
データ収集とレポーティングに関する地域の協力は、メソアメリカ全体の持続可能で合法的な木材貿易の改善に役立つ可能性があります。